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「………後進…弟子を育て易くなるのでは?」
「後進など知った事ではないし、弟子などいらん」
「…ううむ…」
少し考えて閃いた考えを提案するもバッサリと却下され女の子は困ったように顎に手を当てて考える。
「そもそも俺はとてつもない恩がある彼女から離れる気はない」
「…常識外の彼女……あれ…?」
男の言葉を聞いて女の子は呟くも自分の発言に不思議そうに首を傾げた。
「…まあいいか……魔導協会に所属すれば、貴方の研究を全面的に支援しよう」
女の子は自分の中に出てきた不思議な感覚を無視すると魔導協会に所属した時のメリットを説明する。
「ふっ…俺は魔導師になったばかりだ、研究するモノなどない」
「…では、仕方がない…最後の手段だ、この方法だけは取りたくなかったんだが…」
男が提案に興味なさそうに断ると女の子はため息を吐いて嫌そうに呟く。
「…最後の手段だと…?」
その様子に男は警戒したように臨戦体勢を取った。
「…是非、私達を助けると思って魔導協会にご協力下さい」
「…は?」
女の子がスッ…と地面に膝を着いて頭を下げながらお願いすると男は予想外の事に惚けた声を出す。
「貴方の『魔導師』…いえ、『魔導召喚師』としての力を貸して貰いたいのです」
「…なぜだ?」
急に下手に出た女の子に困惑しつつ男が問う。
「さきほど説明したとおり『魔導師』は世界に4人しかいません…才能があり、魔導師に一番近いと言われている候補生も僅か5人です」
「候補生…魔導の才能を持つ魔導師の弟子か」
女の子の話に思い出したかのように男が言う。
「…その候補生でさえ、天才でも無い限りは魔導師になれるのに十数年…下手したら数十年の歳月が必要になります」
「…人出不足、というやつか」
男は女の子の話を聞いて勧誘の理由を察する。
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