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食後。
彼女は大きな皿や食器をスキルで綺麗にして片付け、男や青年達は椅子に座って休み…まったりとした空気が流れる。
「…あれ?そういえば…」
そんな中で女の人が思い出したように辺りを見渡して呟いた。
「?どうしたんだ?」
疑問に思っているような女の人を見て青年が聞く。
「ココってテレビとかラジオとか無いんですか?」
「「!…そういえば…!」」
女の人の聞き返しに男と青年が同時に今気付いたような反応をする。
「全く不思議に思わなかったが、言われてみれば確かにテレビやラジオとかが無いな…」
「ああ、無くてもなんら不自由では無かったし…」
男と青年は言いかけて彼女をチラッと見た。
「……なに?」
「い、いや…なんでもない…!」
視線に気付いた彼女が不機嫌そうに聞くと男は慌てて取り繕う。
「ここってテレビとかラジオとか無いんですか?」
「な…!?」
彼女の事をまだ分かってない女の人が聞くと青年が隣で驚愕する。
「見て分からないの?テレビやラジオが欲しいんならこの山から出てけば?」
「ち、違う!この子はそういう意味で言ったんじゃ…!」
彼女が冷たい目と声で聞き返すと青年が立ち上がって必死に女の人をフォローした。
「…どういう意味で言おうと、言うだけなら構わないけど…ココに何かを求めるぐらいなら求める物がある所に行った方が良いよ」
「す、すみません…軽率な発言でした…」
暗に出てけと言っている彼女に対し女の人は頭を下げて謝る。
「…なんだかんだ強制的に追い出しはしないんだよな…」
そのやりとりを見て男が彼女に聞こえないような小声でボソッと呟いた。
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