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男が家から出てきて水の入ったコップを渡すと青年が一気飲みする。



そしてベランダに移動して山の麓で『騎士 Lv16』と表示されていた女の人が倒れてた所から帰って来た所までを話した。



…青年が話している最中に彼女がチャーハンを魔物にあげていた部分などは省略。




「…なるほど、ゾンビに占拠された街か…それにしてもゾンビを治す条件がいかにも彼女らしいな」



青年から話を聞き終わると男が面白そうに笑う。



「ああ、だが政府がその条件を呑むかどうか…」


「もしくは呑んでも終わった後に約束を破棄して、不都合を無理やり修正させるか…」



青年の呟きに男が懸念を付け足す。



「…はぁ…あの時もっと俺がしっかりしていればこんな事には…」


「騎士団の暗部がやらかした事だろう?お前は関係ないんじゃないか?」



青年の悔やむように漏らした言葉に男が疑問を投げかける。



「…強引にやれば止めれるタイミングはいくつかあったんだ、俺はソレをあえて逃した…できる事をやらないのはある種の罪だ、今回の件でそれが分かったよ…」


「…まあ、俺がお前と同じ立場だったとしても同じようになってただろうさ…」



彼女に会う前の人間はほとんど同種の事しか考えないモノだ…と落ち込む青年を男が軽く慰めた。



「…そういうのをなんて言うか分かる?自惚れって言うんだよ」


「…聞いてたのか」



後ろから急に話しかけてきた彼女に男がびっくりしたように言う。



「そりゃベランダで窓を開けたまま話してれば嫌でも聞こえてくるって…」



彼女は呆れたようにため息混じりに告げる。



「…それより、自惚れとは?」


「あんたならこの事態を未然に防げた、みたいな事を言ってるけど…実際防げてないじゃん」


「…確かに」



青年が聞くと彼女はバカにしたように言い、男が相槌を打つ。

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