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「…この街の人達が魔物になったから、だろう…この状態を見る限りおそらく騎士団のメンバー達も…」


「は?」



青年が代わりに説明するも彼女は意味分からそうに聞き返す。



「彼ら…と言っていいのか…上の表示を見てくれ」


「……『状態異常ゾンビ』…?」



彼女が青年に言われるがままに呻く人達の上の方を良く見ると…『村人 Lv2 状態異常 ゾンビ』と表示されていた。



「ゾンビとなった人達は人を襲い、仲間を増やしていく…だから魔物に認定されるんだ」


「へぇ…ゾンビってそういう状態だったんだ」



てっきり死体が生き返るやつだと思ってたよ…と彼女は意外そうに呟く。



「死体が生き返る…か、動くようになるという点ではその認識でもあながち間違ってはいない」


「…ゾンビとなった人々や魔物は身体が動く状態にある限り、両腕が無くても、両脚が無くとも、たとえ頭が無くとも襲いかかってきます」



青年の皮肉気な物言いに女の人が補足説明する。



「ふーん…痛みを感じないのは幸か不幸か…」



ただ呻くだけの人達を見て彼女はどうでもよさそうに言う。



「ってかなんでゾンビになってんの?」


「…騎士団の暗部による失敗さ、人為的パンデミックというやつか」



彼女の疑問に青年は蔑むように笑いながら答える。



「ですが、魔物が襲ってこなければ…」


「その不用心さがこの結果を招いたのだろう?…元々あの研究は人道に反している外法だったんだ、こうなる事ぐらい容易に想像できた」



女の人の反論に青年が呆れたように返すと何も言えずに黙った。



「…あー、なるほど…ソレで街が滅びたって言ったワケね」



出会った時の女の人の発言を思い出して納得したように彼女は手をポンと叩く。

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