第465話 ◆同時になんて・・・ムリだよ
◆同時になんて・・・ムリだよ
北の湿地帯は、もにゅぱ~の生息地から更に北に10kmほどのところにある。
その面積の半分以上は隣国にかかって広がっている。 魔物たちはどうやら隣国側から国境を越えて侵入してきているらしい。
討伐隊のメイアが空から偵察をしたところによると、魔物はおおよそ500匹はいるようだ。
この規模は、あたしたちが対峙した中では魔王軍に次ぐものだ。
伝書鳩を使ってリアムと今後の対応についてやり取りをしたが、やはり数が多いので軍の一部を応援として派遣することにした。
軍艦(アンデットからの戦利品)を使って兵と物資を運ぶが、今回は野戦砲2門も一緒に積み込む。
大型の魔物をこれで木端微塵に打ち砕くというよりか、兵を守るのに使用するのだ。
軍隊といっても生粋の軍人は将校くらいで、兵隊は普段はそれぞれの職業に就いている。
これは日本の戦国時代の足軽みたいなものだ。 彼らを魔物との戦いで失うわけにはいかない。
彼らには大切な家族がいるのだから。
この国の広さは、東西10000km、南北10000kmと広大である。
何かあった場合、いくらなんでもお城にいるメンバーでこの広さをカバーすることは困難だ。
そこで村や町を守るために、国を都道府県のように幾つかに分け、それぞれに軍の拠点を置いている。
それは国を拓ひらいてから間もないころにアンデットたちに責められて苦戦したことが発端だった。
万が一に備えての配備だったけど、やはり自分たちは自分たちの力で守らなければならない。
魔物の数が500を超えるというので、応援部隊は総勢2000人規模となった。
これでも魔物1匹に対して兵士4名なので、ぎりぎりの戦力と言わざるを得ない。
リアムと参謀たちは、地形を考慮した入念な計画を立て、その時を待っていた。
***
そのころセレネ城でも、ルックが沖合の異変に気付いていた。
普段は穏やかな海のあちこちに大きな渦が発生している。
海の渦巻は鳴門などのように狭い地形と潮流の関係で発生する。 城の沖合のように何もないところで渦が現れるのは考えにくい。
もしこの場所で渦が発生するとすれば、大きな海洋生物が引き起こしているのかもしれない。
ルックが望遠レンズの倍率を上げ、渦をズームアップしてみれば、なるほど大きなひれや触手のようなものが見える。
ルックは状況を整理し、伝令のアンナにセレネへの報告を託した。
***
アンナから報告を受けたあたしは、少々パニックを引き起こす。
これは昔からのあたしの悪い癖だ。
でも、巨大な触手には嫌な記憶があって、いまだにそれが時々フラッシュバックを起こす。
それはこっちの世界に来て間もないころ、巨大烏賊に何度も襲われ酷い目にあったことが原因だ。
アンナからの報告では、海上の渦は20個ほどあるらしい。
つまり、巨大な海獣がそれだけいるということだ。
やはりこれは、けいちゃんの件となんらかの関係があると思ってよいだろう。
その敵がこれらの海獣を操れるとなると、その力は相当なものだ。
あたしの読みでは敵は直接けいちゃんを奪いに来ると思っていたのだけれど、こうして沖合に海獣を集めてきたということは、どうやらそれはないということだろう。
あたしは、アンナにコリン君にも状況を伝え、出入口の警護を解いて見張り塔の上まで来るよう頼んだ。
しかし、後からわかったのだが、これは完璧に計画された敵の罠だった。
そして、北の湿地の魔物たちも・・・
***
ねえ、あたしのけいちゃんは、いったいどうなっちゃうの?
え~っと まだこの先は考えていません。
げしっ!
ああっ け・・蹴りましたね。
ふんっ それがどうしたのよ!
それなら作者の特権で親子共々酷い目に合わせてやる~。
ボコスカッ!
あぅー
それならこっちは先に痛めつけるまでよ。
いいこと、ちゃんとハッピーエンドに書くのよ。 わかった?
ひゃい わがりまじた・・・
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