異世界でも男装標準装備～性別迷子とか普通だけど～

眠気に負けれないキョウヤ

「あ、メーコ炊きあがったよ！」

「おぉ、やったじゃん！で…オカズは何作る予定なの？」

「一番簡単なアヤキにしようと思うんだ～」

「んじゃ、はい、コレ」

そう言って、ユウキはインベントリからボアの肉とリリンギを渡す

「えーっと…ボアの肉は分かるけど…何でリリンギ？」

「アヤキに添えたら美味しいよ、きっと！」

「あぁ…確かに…」

「てか、野菜系も何か作って欲しいんだけど…」

キョウヤの一言にミナミはポンッと手をたたく

「そうだよね！向こうの世界ではお味噌汁とかサラダとか…色々あったもんね！」

「ボアの肉３つとリリンギ６個は、アヤキに使ってもらうとして…」

そう言いながらユウキはインベントリのリストを開いて、考える

「マートとリウと…それから…」

そう言って、ユウキはインベントリからマート１個リウ１個ハクを１個出して

ミナミに渡す

「コレでサラダが出来るけど…味付けは…」

「はい、マヨネーズ！」

「準備良いよね、ユウキちゃんって…」

「まぁ、作ってたしな！」

と、いうわけで、ミナミは早速調理に取り掛かる

「昼ご飯終わったら、俺は寝るからな」

「あぁ…そっか、そろそろ寝ないとか」

「ふぁ～…マジでこの眠気は何とかして欲しいんだけど…」

「まぁ、寝る事で魂の消耗が回復されるならいいじゃん」

「…良いのか悪いのか…分からねぇな…」

眠そうに目をこすりながら、何とかご飯は食べようと耐えているキョウヤ

ユウキはキョウヤが寝るのが先か…ミナミが作り終えるのが先か…

と考えながら、ミナミの後ろ姿を眺める

やはり料理はしてきている分、手際が良い

時間のかかる肉は先に焼きはじめ

そこにリリンギのスライスを入れ、そしてサラダに使う野菜を切っていく

「もうすぐ出来そうだよ」

「分かってる…」

現実世界と夢世界の狭間を彷徨っているキョウヤにそう声をかけると

予想外にしっかり返事が返ってきた

（ほぼ、根性で起きてるんだろうな…）

「よーし！出来たよ♪」

「おーい、キョウヤ、出来たぞ」

「あぁ…行く行く…」

眠気でフラフラになりながらも、ご飯は食べたい…という一心で眠気に打ち勝つ

「キョウヤ君…大丈夫…？眠いなら、先に寝てくる？」

「いや、今食う！」

「だな…今食べないと、キョウヤ食い損ねるし」

「え？何で…？」

説明する余裕が無いのか、キョウヤは一人「いただきます」と言って食事を始めた

一方、理由が分からないミナミは首を傾げるしか出来なかった

「仕方ないだよ、キョウヤ眠ったら、マジでしばらく起きねぇから」

「…どれくらい…？」

「ん～…今から寝たら夕飯までは起きてこないだろうな

ついでに、その夕飯の時も起こさないと起きてこない可能性大だけど…」

「ぇ…？別に、起こしてあげたら…」

「いや、必要な時は起こすけどさ…アイツが沢山寝る理由ってのが

魂の状態で激情したがために、魂を消耗してしまったので

その回復ってわけなんだよね…」

「そ、そうなんだ…じゃあ、出来るだけ起こさない方が良いのかな…？」

「必要な時には起こさないといけないけど…それ以外は」

「そっか…分かった」

納得したミナミも食べ始める

（あと、寝起きも悪いし、起こすのも大変だけどな…）

今の所、ミナミにキョウヤを起こさせる予定も無いので

ユウキはその事を伝えず、ご飯に箸を進める