今までに来た人は…?

「えーっと…2分だから…」


時計を見ながら2分を測るユウキ

一方、キョウヤは、先程の神様の話を考えていた


(…地球から来た中で生きてるのは俺達だけ…

それって…つまり…他の奴らは死んじまった…って事なのか…?)


至った結論は、それだった

それ以外に行き当たる場所は無い


(何で…寿命…?ココの人達は1000年近く生きるけど…

異世界から来た俺達は例外って事か…?

それとも…魔獣か何かに…?)


自分達以外で、この世界に来ていた人は何故死んでしまったのか

その原因が気になり、思考を巡らす


(確かに…今日の石の人形みたいなやつを出くわしたら…倒せる自信は無い…)


そう…倒せなかった場合どうなるのか…

きっとユウキなら、その場から逃げるなど、生き残るための道を選ぶだろう

ゲームでもそうしてきたから…攻撃範囲外に出てしまえば大丈夫だ

そう思えるし、見失えばあきらめるだろう…という考えも出来る

しかし、ゲームなどあまりしないキョウヤは

倒さなければいけない…と思っている

倒せない=死につながる


(…あの石の人形…アイツが倒せなかったら…俺は…)


もし、ユウキが倒せていなかったら…その場合を想像して

自分でゾッとする


(もしかして…他の奴らは魔獣に…)

「まぁ、その可能性は高いんじゃない?」

「っ!!?な、何が…だよ!?」

「キョウヤ…今、何で他の人達が死んでしまったか考えてたやろ?」

「っ!?…な…んで…わかんだよ…」

「怖い顔してたから…かな…

何で死んでしまったのか、その原因…

今日のバトルを通して…魔獣との闘いに敗れたって思うのが普通でしょ?」

「…確かに考えてたけどよ…」


自分の思考が読まれたため、バツが悪そうにそっぽを向くキョウヤ


「僕らはココに来た時に特典をもらった…

でも、それは絶対に死なないものではなかった…

上手く使えなきゃ意味なんてないしな」


ユウキの言葉にキョウヤは返す言葉も無かった


「よし、ご飯、これで良い感じかな!」


思考に沈むキョウヤが一気に現実に戻された

待ちに待ったご飯が出来上がったのだ

ユウキはメイキングで茶碗を2つとしゃもじを作り

鍋からご飯をよそう

そして、肉を煮ていた鍋から肉を2つ取り出し

食べやすいように、薄くカットする


「はい、ご飯と煮込んだ肉」

「…いや、野菜つけろよ…」

「あぁ…そうやな…んじゃ、ハクを千切りにするか…」


そう言うと、ユウキは手際よくハクを千切りにする

見た目はキャベツの千切り…名前的にはハクの千切り…

それを、肉と同じお皿に盛りつける


「…ドレッシング…」

「あると思う?」

「…思わねぇよ…」

「どーしても欲しいなら、自分の好みのドレッシングをメイキングで出せば良いだろ」

「…」


キョウヤは一瞬、自分の想像力でドレッシングを作れるか真剣に考えた

まぁ、結果は言わずもがな、無理…という結論に至ったわけだが

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る