幻術

「まぁでも、基本的にスキルに補正はついています

 それを引き出すか引き出さないかは、本人次第

 なので、補正がついていても、それが適応されない方もいます」

「え?じゃあ、僕のスキルも…?」

「いえ…アナタの場合は、数値補正がスキルについていないのです

 普通はついていたら、スキルの説明文の後にグレーがかって見えますが

 アナタのスキルには見えませんから」


ユウキは、自分のスキルを1つ1つ確認するが

確かに、グレーがかった文字は見つけられなかった


(まぁ、確かに補正なくても、さして困らないね…)


この世界の常識など色々な事は知らな過ぎるが

特に困っていない

そして、能力は申し分ない

補正されたら、さらに異常になるだろう…

まぁ、さほど変わらないだろうが…


「とりあえず、奥行こうか…

せっかく助かったんだ、見とかないとな!」

「そうですね…行きましょうユウキ君」

「(うん…まぁ、いっか…面倒だし…)うん、そうだね」


またしても、面倒だからと言う理由で、訂正ないユウキ

ユウキの鑑定眼でも詳細ステータスは見れない

それと同じように鑑定スキルでも詳細ステータスは見れないらしい

見られていたら、ユウキの性別は分かるだろうから


(まぁ、ほいほい見られたらプライバシー的に問題だよね)


神様からもらった鑑定眼でも見れないのだ

普通の人が持ってるスキルで見れたら、それはそれで問題な気がする…

というか、詳細ステータスは他人に見られたらダメな気がする…


「それにしても、さっきのアレは何だったんだ…?」


道を進みながら、あの落とし穴の原理を考えるユウキ

確かに道は奥に続いてるはずだったのだ、先は見えなかったが…

何故急に落とし穴になったのか…何かの罠だったのか…


「あれは、幻術ですね…水と火と闇…三つの属性の複合魔法ですわ

 幻術によって、本当は落とし穴だった所を、奥に続く道に見せていた…

 という所だと思います」

「マジで!!?って、事は誰かが罠を張っていたって事か…?」

「いや、そうとも言い切れないな」

「何で?魔力が使われたって事だろ?」


ユウキの発言に2人はポカンとする

一方ユウキは間違った事は言っていないはず…と自問自答する


「お前…一体、どういう教育受けてきたんだ?」

「あ~…うん、教育らしい教育はあんま受けてないかも…

 (少なくとも、ココの世界の教育は全く受けてない!)」

「はぁ!!?お前、そんなにお金に困る生活だったのか!!?」

「ぇ…いや…うん、僕の故郷、変わってるから…

 (この世界からすると、変わってる所だし…)」


ユウキは自分の中で、間違ってはないよな…と自問自答する

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