在庫チェック

「おはようございまーす」

「あら、ユウキじゃないか

 ここに来たという事は、商品の補充でしょう!?

 それしかないわ!てか、補充して行って!!」

「ぇ…ちょ…し、シェイルさん落ち着いて…」


ボックスに入った瞬間に、シェイルに詰め寄られ、ユウキは後ずさる

ちなみにユウキの後ろからは、キョウヤがついてきているので

普通にぶつかった


「入っていきなり、後ずさるなよ…

 まぁ、気持ちは分からないでもねぇけどよ…」


自分も入っていきなり、あんな感じで詰め寄られたら

とりあえず、最初は後ずさるしかない


「ははは…ゴメンゴメン…」

「シェイル…ユウキが驚いているだろう

 そりゃ、早く商品を補充してもらえたら良いが…

 傑作がそう何度も作れるわけないだろう」

「うっ…そ、そうね…」


シェイルは落ち着きを取り戻し、ユウキから離れる


「ありがとうございます

 えっと、今日は在庫確認して、必要なら補充もしようかと…」

「必要よ!在庫ほとんど無いわよ」

「ぇ…シェイルさん確認してくれてるんですか?」

「普通はしないわよ

 でも、ユウキのお店に置いてる物は特別だからね

 品切れにならないか、冷や冷やしてたのよ」

「そうなんですね…」

「ホント、何処に滞在しているか聞いておけば良かったって、何度も後悔したわ」


うっかりしてたわ…と反省しているシェイル

しかし、ユウキにはその理由が分からないため、首を傾げる


「何でですか?」

「そりゃ、在庫が減って来たら補充してもらうためよ!

 何処にいるか分かってたら、知らせに行けるでしょ?」

「…フリーマーケット…ですよね?」

「そうよ…でも、需要が高いんだから、次の仕入れ時期とか

 知ってたら、お客様に伝えられるでしょ」

「あぁ…ってか、そこまで需要あったんだね…」

(ホントに、コイツは何処目指してるんだろうな…

 バトルするし生産するし…って…)


ユウキは、シェイルの熱弁を受けながら、フリーマーケットスペースに移動する


「そういえば、横にいる黒髪のイケメン君はユウキの友達かい?」

「まぁ、同郷…かな?

 (友達というより、一方的にライバル視されてるけど…)」


友達というと、仲の良い者同士というイメージだ

ユウキとキョウヤは、仲が良いわけではない

まぁ、仲が悪いというわけではないが…

キョウヤから言わせればライバル的存在だろう

でも、それはキョウヤからであって、ユウキはというと…


(世話のかかる同郷の同居人…かな)

「やっぱり、カッコイイ子は友達もカッコイイのね~

 まぁ、ユウキの場合は、可愛い格好させても似合いそうだけど」

「それは勘弁して下さい(切実に…)」

「あはは、そうよね~

 ところで、友達は何て名前だい?」

「俺はキョウヤ、今日はただの付き添いだ」

「へぇ、そうなのかい

 でも、こんな町中なのに、付き添いだなんて

 いくらこの子が小さいとは言え、心配し過ぎじゃないかい?」


サクッとシェイルの言葉がユウキに刺さる

悪気が無いから、たちが悪い

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