ベテランに見えるけど、超初心者

「その文字をなぞると、説明出てくるよ」

「マジかよ…」


キョウヤは文字をなぞって説明を見ていた

しばらくすると、ユウキの方を見る


「はぁ!?お前ココにどんだけ長い事いたんだ?!」

「何言ってんの?僕この世界に来て4日目だけど?」

「はぁ!!?4日しか経ってないのに、こんな状況なのか!?」

「…何に驚いてるの?」


ステータスの数値はユウキがココに来た時と一緒である

特に驚くところは何もないのだが


「普通、こんなにスキルとるか!?」

「あぁ…せっかくなんだから、とっとこうかとね」

「魔法もこんなに…お前何処目指してんの?」

「ん~…特に目指しては無いかな…

 快適に生活出来れば」


別に、冒険者としてランクを上げたいわけでもない

まぁ、色々な所は行ってみたいかもしれないが

具体的な目標などは無かったように思う


「はっ…やっぱガキだな」

「いや、だから、キミも同じ歳だからな」

「いーや、俺は元々25歳っていう大人だ!」

「奇遇だね、僕も25歳から14歳にされたんだよ」

「…マジかよ…」

「うん」

「…」


無言の時間だけが過ぎていく

ユウキは気にする事なく、次の流れに進む


「まぁ、とりあえず、座ったら?

 お互いの事全然知らないしさ~

 自己紹介でもしない?」

「あ…あぁ…」


ユウキが元同じ歳という事にショックを隠し切れないキョウヤ

言われるままに、ユウキの向かいに座る

では、ココでキョウヤの容姿を説明しよう

綺麗な黒髪のショート

髪は毛先に癖はあるが、基本的にストレート

そして、瞳の色も黒…と元の容姿は知らないが

純日本人なら、さほど容姿は変わってないのだろうか

服装は黒いシャツとパンツというスタイルだ


「僕はユウキ・キハラ

 まぁ、そりゃ見りゃ分かるだろうけど

 ココに来て4日しか経ってない、この世界の超初心者だよ

 特技は3秒で寝る事かな」

「(何だ、その特技は…)

 俺は谷川…あぁ、ココではキョウヤ・タニガワか

 さっきこっちに来たばかりだ

 だから、何も知らない」

「だろうねぇ…まぁでも、森の中からスタートよりも

 ココからスタートなのは、まだ好待遇じゃね?」

「は?!森の中!!?

 この家、神様とか用意してくれたんじゃないのか!?」

「いんや、コレは僕が作った家だよ

 ココは魔力を使えば結構楽に、色んな事が出来るんだよ」

「(いや、そうであったとしても

初めての世界に来て4日で家持つとか、オカシイだろ)

魔力…そんな物が使えるんだな」

「ココは剣と魔法のファンタジーな世界だからね~

 科学的には進歩してないけど、結構快適に暮らせるよ」


ユウキは自作してきた、魔石がどれだけ高価な物かを分かってない

自炊よりも外食というこの世界では

まず、流し台も冷蔵庫、コンロも業務用の物が一般的だ

そして、風呂はなく湯あみが普通なのだ

トイレは公衆トイレという物があり、家庭にトイレは無い

一般家庭にある魔石は、照明と洋服洗浄乾燥機能だけだろう

しかし、それをユウキが知る事はかなり後である

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る