影々
最初は影が2つあった。
笑いあって楽しかった思い出に浸って重なった。
いつからか影は1つになった。
夕焼けに照らされて見えたアスファルト上の僕たちは夕闇に呑まれながらもひとつの影に身を委ねていた。
最後には影が独つになった。
僕は影を落とした。
夜空には星が煌めいていた。
僕の夜空は星が消えていた。
花が散った。
虹の橋がかかった。
ピリオドを打った。
旅に出た。
川を渡った。
宵闇に影が飲まれた。
夜だけは安心した。
色の消えた世界に、彼女の前に。
影はふたつといらなかったから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます