矛盾
「こちら、どんなものでも貫く矛とどんなものでも弾く盾だよー」
街の往来でそう言う商人がいた。前を通りがかった男が嘲笑うように言った。
「互いに戦わせたらどうなるんだ?」
商人はハタと止まって言った。
「たしかにどうなるのだろう? よしやってみよう」
「おいおいやめとけよ、売れなくなるぞ」
「いや、俺も知りたいんだ。矛を持って俺の持つ盾に向かって刺してみてくれ」
矛を手渡された男はため息をつき、半ば呆れながら盾に向かって矛を突いた。
次の瞬間、ピカっとまばゆい光がその世界の全てを包み込んだ。
「こちら、どんなものでも貫く矛とどんなものでも弾く盾だよー」
街の往来でそう言う商人がいた。前を通りがかった男が嘲笑うように言った。
「互いに戦わせたらどうなるんだ?」
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