噂の十六説

一人暮らしをしていた者が体験した不思議な話。


いつものように家で休んでいると疲れていることもあり、

少し寝てしまった。

本人が言うには二、三時間ぐらい寝ていたと思ったが、

目を覚ました時一分も経っていなかったそうだ。

疲れが取れていたのでそれだけ寝たと勘違いしたと思い

特に気にすることはなかった。


だが、そんなことがたびたび起こるようになり、不安に思い

病院で検査をしてもらったものの異常が見つかることはなかった。

色々な病院にいったがそれでも結局なにもわからず、

知り合いに数日泊まってもらい

実際に自分が何が起きているか見てもらうことにした。


知り合いに止まってもらってから十日ほどしたころにそれは起きた。


目を覚ましてすぐに知り合いに何が起こったか聞いたが、

知り合いも同じように眠ってしまい結局なにもわからなかった。


ただ、今までと違ったのは二人の両腕に

六つの線を引いたような

引っかき傷ができていたことだった。




唯の噂。

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