モノローグ

「バイト行きたくねえ……」


 いや、行ってしまえば、と言うか家から出てしまえば身体はバイト用に調うけども。

 さほどふかふかでもないベッドに寝転がりながら時計を眺める俺の身体は動かない。

 バイト行きたくねえなんて口走ってしまう程度には、なんだろうこれ、鬱ですかね。

 でも着替えて荷物持って家から出てしまえば……なんて、思考の無限ループである。

 きっと俺がこんなにバイト行きたがらないのは、職場環境が悪いからに間違いない。

 休みがちな菜月や、接客しか出来ない若白毛さんしか同僚がいないっておかしいぜ。

 一応バイト募集はしてるけど、他より時給安いのわかってんのかなあ、あの店長は。


「行きたくねえ……」


 ヤバい、着替え終えて家を出てなきゃ行けない時間が後一時間後に迫ってきている。

 絶対おかしいだろこれ、なんで日曜日の朝からこんなストレス溜めまくってんだよ。

 ああもう、ストレスで異に穴が空くほどではないにしても、恥もなく叫びたくなる。


「がぁー、働かずに金が欲しー!」


 きしきしとベッドは俺の叫び声に返してくれるが、睡眠中の両親はなにも返さない。

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