おぎゃる
「最近おぎゃるのが流行っているらしい。ヒロ君、なんのことか分かるかい?」
「小ギャルの進化版みたいな? 小ギャル、中ギャル、オギャルだろうか?」
「ヤマンバっていうわ普通に!」
ギャルとオギャるは全然違うよ。
「日本人男性の間で流行している幼児退行のことみたいなんだ」
「仕事のストレスだな、かわいそうに」
「中でも幼児どころか乳児まで退行する時にオギャるというらしい」
「あぁ、バブみを感じるとか流行ったな」
一部のオタク界隈だけだと思うけど。
「僕はこれを少子高齢化問題と並べて議論すべき社会問題だと思うんだが?」
「大したことではないだろ」
果たしてどうだろうか、
先日インターネット上の記事で見るからに小学生ぐらいのキャラクターに「んママぁぁぁっ!」とか言っている奴がいることを知った。
まさに今、日本男児は草食化の一歩を辿っている。それどころか、草すら食えぬ乳児に……乳飲系男子が増えつつあるということなんだ。
確かにおねぇさんキャラの魅力は絶大だ。青さと若さで攻める少女キャラと違い、独特の落ち着いたリズム感を持っていることがほとんど。さらに、膝枕といういわば癒し界のAK-47的属性を兼ね備えている確率が高い。
むちむちの太ももで膝枕されてごらんなさい、文字通り「枕を高くして眠る」ことができるでしょう。
結果、疲れた人はおねぇさんキャラに吸い寄せられ、彼女たちの放つ温床的なオーラの中ですくすくとSAN値を回復していくのだ。
「それに、最近はオタク女子の間でも逆バブみ現象が発生している」
「逆バブみ現象?」
「彼女たちが男性キャラクターに対して母性を抱くのだ」
「なんだって?」
こうして一方で幼児退行した男性と母性を高めた女性が出会った時のシンクロ率が高い。つまり、オタク女子とお近づきになるためには赤ちゃんプレイの一つや二つ余裕でできる必要があるんだ。
「よし、早速やってみよう」
「あの、先輩方……これは?」
「先輩じゃないでちゅー、僕たち祐希ママの赤ちゃんでちゅー」
「膝枕してほしいでちゅー」
「ヒロ先輩、あなた一体幾つなんですか?」
「二十歳でちゅー、酒より乳が飲みたいでちゅー」
「わかりました! すぐに用意します!」
「え?」
僕たちは膝枕の代わりに鼻から牛乳責めの刑を頂きました。
本当にありがとうございます。
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