サイレン


こんな不安な夜に

もっと不安になる

救急車のサイレン


もう誰かに気づかれてしまったか

傷だらけで転がっていた心と身体

まだ誰にも気づかれないようにと

物陰に逃げ込んだはずだったのに


見つかってしまった

そんな悲しげな目で

僕を見ないでほしい


「どうして話してくれないの」


言えるわけがない

君にだけは絶対に

本当のことなんて


だって僕は強い人

強い人を演じてる


サイレンが鳴り続けるよ

後ろからせまってくるよ

急き立てられるような音

僕はまだまだ立てるから

どうかまだタスケナイデ


もう少しだけ

ツヨガラセテ   


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