>転生って色んな見かたがあるから難しい



転生に関してかなり深く考えたのは

密教系の仏教でしょうか


仏教でいう輪廻転生は

修行であり勧善懲悪であり解脱への過程といった概念です


生老病死といった生にまつわる四つの「人にはどうしようもない事を苦しむ心」である四苦に


愛する者と必ずいつかは別離しなければならないこと

怨みや憎しみを感じるような出来事に会わずにいられないこと

心から求める物が全て得られることなどありえないこと

自分の肉体や精神でさえ意志に背き思い通りにならないこと

などの具体性を持つ状況による苦しみを加味した八苦


その四苦八苦の中でしか人が生きられない

その象徴として


天道 人間道 修羅道 畜生道 餓鬼道 地獄道

のいわゆる六道を考えだしました


そして

そこからも外れた最悪の外道というものを考えた宗派もあります


物語でいう異世界転生はこれにあてはめるなら


天道(ほのぼの系異世界転生)

人間道(リアル系異世界転生)

修羅道(殺生によるレベルアップ型異世界転生)

畜生道(魔物や動物への異世界転生)

餓鬼道(強奪系スキルに頼った異世界転生)

地獄道(悲惨系で救いのない異世界転生)


外道(そのものの外道系悪役になる異世界転生)


といったとこでしょうか?


タイトルはあげませんが

探せば全て読む事ができます


これを逃避という観点で描くか

欲望の充足という観点で描くか

それとも解脱への修行という観点で描くかでも違うと思いますが


概ね

閉塞的状況や停滞感からの脱却が

作者の意図のあるなしに関らず

読むものには必然的に物語テーマとして作用するのが転生ジャンルでしょう


これは「死と再生」に対する信仰が生まれた事への研究

をする学者達の民族学的考察などに興味があれば納得する人が多いと思います


作者が意図せずに踏襲する事で影響を与えるという意味では

「神と悪魔」や「アダムとイブ」や「最後の審判」などの

聖書宗教的世界観もそうですが


意図せずに書いたり愛読する場合には

無意識下への影響を与えやすいジャンルではないかと心理学的考察もしてみたくもなりますねぇ


ただ

社会心理学の分野でサンプルの採取が困難なこの手の研究は

独裁政権やカルト宗教が悪用するためにしかしてないので

やめておいたほうが無難ではあるのでしょう


死後に自分はどうなるのかは

死に対する希望や最後の楽しみにとっておいて

今を生きる道に転生という考え方を生かしましょう


僧達ならそう説教するでしょう

沙門なら自らそうするでしょう


聖書宗教の「考えるな神に従え」

大乗仏教の「考えるな祈れ」

小乗仏教の「考えそして精進せよ」


人それぞれでしょうが

カルトの多いのは聖書>大乗>小乗の順のようです


何れにしろ

転生を望む心をカルト(自称神)に利用されないようには気をつけたいものですねぇ





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