>欲しいものを手に入れるには、殺す覚悟がこの世界では必要なんだ。
人殺しなど想像もしなかったと主人公が言ってましたが
このエピソードを見ると自分を誤魔化すために自分に言い聞かせるという描写だったようですねぇ
殺人への禁忌感は親が子供の幼少期に
他人を傷つける事にトラウマを得るほど叱ってやらないと
自然に芽生えるようなものではないので
治安が悪い国のスラムなどで生まれた子供は平気で人を殺したりしますし
損得勘定で人を傷つけない事が正しいと学んだ人間は
犯罪を犯すうちにそのことに抵抗を覚えなくなっていきます
裸が恥ずかしいのも排泄を人に見られるのが恥ずかしいのも
子供の頃からの刷り込みによるものなので
主人公は他者を傷つける事に対して
厳しい躾を受けなかったんでしょうねぇ
幼児教育で自爆テロをする子供を育てる事も
人を傷つける事を極端に恐れる子供を育てる事もできますが
他者を傷つけてでも自らの欲望を満たす事を正しいとする現代の資本主義社会では
自称「勝ち組」達によって
前者はテロリストとして暴力の論理で排斥され
後者も敗北主義者として蔑まれイジメやハラスメントの対象にされます
幼児教育を世界中で義務教育化して全ての子供が
人を騙したり傷つける事に罪悪感を感じられるような社会が創れればいいのでしょうが
世界を統一したうえで
自分達だけが得をしようという人間を教育の場から追い出さなければ
そんなことはできないでしょうし
我欲の強い人間ほどそういった社会がディストピアと
欲望と幸福を混同させた主張をしたり
生物としての本能を制御する事と消し去る事を混同させて
人間種が衰退すると
「文明」という人間種の生存戦略を否定したりして
自分と他人を誤魔化しながら
正義など人の数だけあると
他者を傷つけても自分達が得をする社会を肯定します
だから
権力に執着する封建社会や独裁社会はもちろん
民主主義社会であっても権力者ほどそうした意見を尊重するので
平等も自由も理想も正義も形骸化しがちで子供達は正しさを見失ってしまいます
主人公もそういった社会の矛盾を肯定し
欲望を満たすために他者を陥れる事をよしとする大人達の犠牲者なのかもしれませんねぇ
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