低気圧の朝に

悪夢

朝起きて頭のなかが冷たいと

今日は低気圧なのだとわかる

それよりもはやく

目覚めぬうちから

私は知っている


小鳥は薄い灰色のまぶたのうちに

朝の燐光を感じるのではないかしら

満ちくるそのあたたかさに

やわらかな羽毛を震わせるのではないかしら

こころよく


……それと同じように

私は知っている


私の瞼は貝のように白いけれど

私の体は石のようにかたいけれど

私は悪夢に身を震わせる


私の頭から私の胸へ

ひやりと冷たい水が流れる

目覚めた私はかわいそうな胸を抱いて

朝からさめざめと泣く他ない


今、日差しがあたたかく私の素足を浸している

その感触よりも

悪夢のほうがどれほどよかったか


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