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「…流石は幻の紅茶ね…そこいらのとはレベルが桁違いだわ…」
「わー…良い香り…香水として欲しいなー…うむ、美味い!」
「まさか世界一の紅茶を飲めるとは思わなかった…」
リザリー達が紅茶を飲んで感想を言う中、エルーは何も言わずに目を閉じて味に浸ってるようだ。
…さて、俺も飲むか…どれほどの味に仕上がってるのか楽しみだぜ。
リザリー達の反応を見て超一流の腕にワクワクしながらまずは匂いから入る。
「…ん…?」
…あれ…?メイド達の時よりも…匂いが…弱い…?
…いや…弱い…っつーか…薄い…?…まあこんなもんか?
メイド達が淹れた紅茶とは香りが若干異なる事を不思議に思いつつ一口飲む。
………ああ、コレ…マイスターの人選ミスやわ。
器械のように正確な超一流を呼んでたみたいだな…
惜しいぜ…他の紅茶ならその実力を遺憾なく発揮出来たろうに…
残念ながらこのファーストなら、感覚で淹れる超一流を呼ぶべきだった。
『?創造主どうしたの?』
「ん?ああ、なんでもない」
俺が内心残念に思ってるとニーナが不思議そうに聞いて来たので、ごまかすように言って紅茶を一気飲みする。
『わー!創造主豪快!』
『…いっ……み…』
「…あんたねぇ…もうちょっと味わって飲みなさいよ…」
ソレを見たユリが面白そうに言い、アニーも真似するかのように一気飲みしてリザリーは呆れたように言う。
「…いや、味オンチの俺が味わってもしょうがないだろ…よし、お菓子取って来ようぜ」
『わーい!お菓子ー!』
『…お……し…!』
『この紅茶に合うのはあるかしら?』
紅茶の味をフルに出しきれてないから味わうのは…と言いそうになったがマイスターの評価を下げる事になりそうだったので…
適当な事を言って話をズラすと精霊達のテンションが更に上がった。
…紅茶はまあアレだったが、お菓子でこんな気分にはならんだろ…多分。
「お前らはどうする?」
「もう少し紅茶を味わってから行くわ」
「同感」
「右に同じく」
「…俺も」
一応部屋を出る前に声をかけたが、どうやら自分達のタイミングで行くようだ。
「…さーて、お菓子はどこに…あ、すみませーん」
「はい?」
「食べ物とかがどこにあるか教えて貰えませんか?」
廊下を歩いてる最中にメイド服のスタッフ?を見かけたのでお菓子とかがある場所を尋ねた。
「ああ、それでしたら…あのように部屋の前に看板が設置されております」
メイド服の可愛い女性は廊下の突き当たりのような場所に、Aのような形で設置されてる看板を手で示して説明する。
「ありがとうございます」
「…いえ、楽しんで下さいね」
笑顔でお礼を言うと、イケメンに変装してるからだろう…
メイド服の可愛い女性は一瞬見惚れたような表情をして頭を下げた。
…ちくしょう!人間やっぱり顔か!
…素顔の時にあんな反応された事あったっけ…?
『わー!ケーキだ!ケーキ!見た事もないやつがいっぱい!』
『……いっぱい…!』
『…何から食べようかしら…』
…どうやらこの部屋の中はケーキ系のお菓子が置かれているらしく…
凹のような感じで設置されてる長テーブルの上にはウエディングケーキのような物や色んな形のケーキが並べられている。
「…お前ら、コレ」
『…トレイ?』
「自分達の分はこのトレイに移して部屋に戻ってから食べるんだよ」
『…なる……』
精霊達が手づかみしてその場で食べそうな気がしてトングとトレイを渡すと、不思議そうな顔をされたので説明すると理解して自分達の分を受け取った。
…にしても色んな種類があるな……おっ、コレ…紅茶マフィンの上からビターチョコのパウダーが掛けられてんな。
「これ美味そうじゃね?」
『…そうだな、そこまで甘くなさそうだ』
女性の精霊達がはしゃぎながら色々見て回っている中、俺とファイは甘さが控えめのヤツを探す。
…幸いと言うべきか…
みんな最初は挨拶回りから始めてるっぽく、廊下には人が歩き回っているのにこの部屋には俺らと職人しか居ない。
…俺らに常識が無いと言われればその通りだけども…
多分このお茶会に参加してる中で俺らだけが人間じゃないと思うし、不必要な人間のルールをわざわざ守る必要は無いよな。
「…このブラウニーも美味そうだな…ビターチョコで中にクラッシュナッツが入ってるっぽいぜ」
『…ブラウ…?』
「分かりやすく言えばチョコレートケーキの一種だよ」
ファイに勧めるも聞きなれない言葉だったのか首を傾げるので簡潔に説明する。
『…なるほど、流石は創造主…知識が幅広いな…』
「そりゃあ自分でも作れるモノの知識ぐらいは、な……お!凄ぇ!ギモーヴまでありやがる!」
『…ギ…?』
「俺らはマシュマロって呼んでんな、一部地域ではギモーヴって言うらしい…がマシュマロとはちょいと形や食感が違う」
俺が珍しいお菓子を見つけ一気にテンションを上げるもファイが置いてぼりになってたので、テンションを戻す。
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