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…つーのはさて置き。
今の内にアレの性能でも説明しとくか。
天界から俺らの世界に戻った事を話す前に。
…流石にケータイを充電してる暇が無かったから、充電が切れても気づかず放置してて…
一ヶ月振りにケータイを起動させると…なんと!
着信が二件!
一ヶ月でたったの二件しか無かったっていうこの悲しさ。
…アイツらの事だから百回千回ぐらい電話をかけてるだろうと予想したのに…
結果はたったの二件っていう。
しかも二件の内訳がショコラとマキナからで、数秒の表示だから…多分間違い電話かもしれない。
…いつものように数十件、数百件、稀に千件を超すような嫌がらせも迷惑だけど、一ヶ月の間全く何の連絡も無いのは逆に寂しいぜ!
押して押して、押してからの…引き。
アイツら、好感度の管理のやり方が分かっている!
…っと、ズレてしまったか。
修正しなければ。
で、どこまで話したっけ…
…ああ、そう。
アレの性能の説明だったな。
アレは実は発動させるのに結構な魔力が必要だったらしい。
魔石に溜めてた魔力がすっからかんになっていたから…
おそらく賢者一人分以上は必要になるハズ。
…まあパクリ元の旧時代の遺物もそうだが、あんなモノを一人で発動させるなんて考えて無かったし…
魔術師複数人で発動させる事が前提なので燃費の面は改善の余地も無く、どうにもならない。
一応…一度発動させたら一週間程度は保つ。
クリスタルの形をしたアレの中の魔石に内臓された魔力が尽きるまでの約一週間の間なら、一旦発動を解除してもまた発動できた。
んでもって…完成した空間の中に入ったんだが…
広さは大体地球と同じ感じ。
風景や地理的なアレは発動する世界と同じになるっぽいね。
天界で発動させたら天界と同じ明るい空間、冥界で発動させたら冥界と同じ暗い空間になったから…
多分魔界で発動させたら広さは俺らの地球と同じ、狭い魔界になると思われ。
俺らの世界で発動させたらまんま俺らの世界と同じ。
ただ地面や水、建造物や岩といった無機物しか無いっぽいけど。
あの別空間は草木が全く無く…さながら世紀末のような荒廃した世界に近かったよ。
大陸には草一本生えてない荒地と建造物しかなかったし。
あ、あと…建造物や岩とか壊した場合ずっと中に居ると壊れっぱなしだけど、一旦外に出ると内臓された魔力を使って自動修復する。
ってか、してたな。
…ソレを知ったガイアがこれ幸い!と手加減無しで魔法を使って暴れたもんだから…大変な事態になってたってば。
アイツ…いや、あの女…違うな、あの女神…
別空間の地球を丸ごとぶっ壊しやがった。
いくら現実のこの世界に影響は出ないとはいえ…一つの星を丸ごとぶっ壊すか?普通。
『ちょっと暴れたら壊れちゃった』とかテヘッ☆って可愛い仕草で舌を出しながら言うから、嘘だろ…と思ってたら、マジだったし。
…まあおかげで色々と分かった事もあったけどさ。
俺がなんやかんやで…仮想空間の大地や海といった世界を構成してるモノが壊れると、ある程度修復されるまで再度発動は出来ない仕組みにしていたが…
どうやらちゃんとその仕様に仕上がっていたらしい。
ちょっとしたセーフティの意味で組み込んでいたがソレが成功したようだ。
理論の上では出来ていても実際成功するかは微妙だったもんなぁ…
…ちなみに壊れた物を自動修復すると内蔵された魔力が減っていくので…
調子に乗って建造物や岩や大地をバンバン壊してると、当然その分発動出来る時間もガンガン減る。
…ガイアが全壊させたのを直して再発動させるにはどえらい魔力が必要になったし。
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