5
暗殺用具が詰め込まれた収納ボックスを軍事大陸にある地下施設に影移動させた後。
何故かマキナ経由でショコラからの呼び出しが掛かり…
とりあえずリザリー達と昼飯を食べた後に生産大陸にある研究所へと影移動する。
…つーかなんで一旦マキナを経由したんだ?直接俺に連絡しやぁいいものを…
「うぃーっす…ってお前だけかよ」
俺は不思議に思いつつ受付嬢から聞いた部屋のドアを開けて中に入ると、そこにはショコラの姿は無く…
代わりにハルトが居た。
「ん?おお、テイト!久しぶりだな!」
「そうか?…まあそうかもな」
「おーいハルトー…今いいかー?…ってうわっ!?テイト!?」
俺を見てハルトが嬉しそうに立ち上がったので適当に返すと、何故かちょうどエリアが入って来る。
そして普通なら居ないハズの俺を見てかなり驚いたらしく後ろにちょっと下がった。
「わっ!」
更に何故かエリアの後ろから入って来ようとしてたショコラにぶつかり…
「うわっ!?」
例によるアレでエリアとショコラはバランスを崩して倒れ…
「おお」
「今日はまた凄いな…」
まさかのエリアの顔にショコラの下半身が押し付けられる…という漫画のようなラッキーハプニングに。
…エリアのラッキースケベなイベントに見慣れてる俺らだってこんなんはあまり見た事が無い。
いや、凄え…よくもまあ…あの体勢から倒れて顔騎みたいな状態になるな。
「エーリーアー…!…ってアレ…?」
怒ったような声でエリアの名前を呼んだショコラだが、何かに気づき首を傾げる。
「…気絶してる」
「頭を強く打ったらしいな」
ショコラの態度を不思議に思いエリアに近づくと…目を瞑ったまま倒れていた。
「え?うそ?大丈夫なの?」
ショコラは今さっきまで後ろに般若のオーラでも浮かばんがごとく怒っていたくせに、まさかの予期せぬ事態に焦っている。
「…一応血は出てるが軽傷のようだ」
「ある意味ヒップアタックを食らったような感じだしなー…」
ラッキースケベの主人公達はギャグだから無傷で済んでいるけども、実際に似たような事が起きたらこんなモンだろう。
「…まあ自業自得だよね?」
「「100%な」」
ショコラの確認するような問いかけに俺とハルトの言葉が被った。
「…中身は男とはいえ、見た目は聖女だからな…一応傷は治しとくか」
「おおー、えらい!」
「…え?」
倒れてるエリアの外見に見かねた俺が魔石の指輪を使い治癒魔術で傷を癒すと、ショコラはからかうように笑いハルトが驚く。
「え?なんで驚いてんの?」
「いや…お前、それ…魔術…だよな…?」
ショコラが知ってるのだから当然ハルト達も俺が魔石の指輪をしてる事を知っていると思ってたが…どうやら知らなかったらしい。
「ああ、コレのおかげよ」
「…ああ!リザリー達が研究していた魔石の!」
俺が指輪と腕輪を一纏めにしたネックレスを見せるとハルトは納得したように声を上げる。
「…今気付いたけど、ソレってていとも魔術が使えるようになった…って事だよね?」
「ん~…まあそうなるな」
流石にショコラ達ほど自由自在に扱えるワケでは無いが、ギリ中級の魔術師と同じぐらいはいくかも。
…まあ頑張って中の下ぐらいか。
「…魔術無しでもかなり強いていとが魔術を使えるようになったら、最強になるんじゃ…」
自分の実力を測るように考えてるとショコラがボソッと呟く。
「いやいや、ソレは買いかぶり過ぎ…ってか過大評価し過ぎだろ」
確かに俺は魔術無しならばほぼ最強と言ってもいい…だけども、そんな俺が急に魔術を使えるようになったからといって魔術有りでも最強になるか?と言われたら…
答えは確実にNOだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます