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「「「う…」」」



有無を言わせない威圧感に怖気づいたのか子供達が一歩後ろに下がった。



「おう、良いねぇそのギャップ…惚れそうだぜ」



ああいう冷たく見下し蔑んだ目と声をしながら脚でアレを扱いて欲しい。



超興奮しそう、もしかしたら直ぐイくんじゃね?



いつもはドSな女の子が急に甘えキャラになったり、いつも甘えてるキャラが急に強気やドSキャラになった時のギャップ!



たまらんねぇ…ギャップ萌え!



「え?そ、そう?」


「おう、そういうのがギャップ萌えだよ」



いつだったか…腕をもぎ取るゾ☆とか言ってたああいうのじゃなくてさ。



「なるほど…覚えとこ」



俺の呟きを聞き取れたのかノートパソコンを開いてカチャカチャ弄る。



「まあそんな恵まれたお前らに更に恵んであげようというワケだ、別に男はどうなろうと構わないが…女の子達はそうはいかん」


「女の子だけに出来るこの状況から這い出せる良い方法を教えてあげようか?身体を使って性的なサービスをすれば稼げるよ?」



使える内に使っておかないと後悔するし…と助言なのかからかってるのか良く分からない事を言う。



「そん…!はしたないですわ!ソレにまだ子供ですわよ!?」


「男は体を使って稼いでるんだから女だって身体を使って稼ぐべきでしょ?」


「一応国で認められてる合法的手段だしな」



どっちも肉体労働である事に変わりはない…が、男と違って女が肉体労働をするには最低限顔が良くないといけないという悲しさ。



男の肉体労働は体力と最低限度の力だけあれば出来るのになぁ。



「ソレに…今時童貞や処女なんてなんの価値もないよ」


「昔の異国は結婚するまで処女じゃなきゃいけないって考えだったらしいぜ?」



精神的な相性が合った所で身体の相性が合わなければ夜の生活は厳しいだろうに…



異国はそういう考えだったから一時期浮気やら不倫が流行ってたんだろう。



自分は満足してないのに相手だけ満足してお終い、とか毎日続いてみ?



ストレスが徐々に溜まっていってソレと比例するように愛だの恋だのはどんどん無くなっていくぜ。



性格や考え方、価値観が合ってるだけじゃ一緒には暮らせない。



やっぱり結婚する上では身体の相性が最も大事だと思われ。



次に最低限度の精神的な相性かな?



…矛盾してるかもしれんが、ソレでも俺は処女とヤりたい!!



「まあそういう方法もあるよ、ってだけでするか否かは本人次第だけどね」


「女の子の安全を考えるならこの集落にそういう店を作って、少年達が客引きや安全維持に勤めれば容易く稼げるかもな」



もちろん国に申請しないと潰されるから、するならそういう所にちゃんと相談しろよ?と親切心でのアドバイスをする。



「…こんな子供達が風俗店をやるなんて容認できませんわ!なぜ勧めるんですの!?」



綺麗な皇女殿下は俺たちの提案を聞いて怒りながら詰め寄ってきた。



「なぜ、って…今まで通り強盗や強奪、万引きを繰り返すよりはマシだろ?女の子が自分の意思でヤるんなら誰にも迷惑かけねぇし」



それどころか男達の性欲発散のお手伝いをして上げてるんだから社会に貢献してるようなもんだろ。



「この街が抱えてる問題の半分を一気に解決できる、正に奇跡の手段だよ?」


「ですが…!!」


「じゃあ他に方法がある?」



この方法は今まで迷惑をかける事でしか生き延びれなかった子供達が、逆に社会に貢献して生き延びれるようになるっていう…



さながら代打逆転サヨナラ満塁ホームラン級だよ?



納得いかないような顔の皇女殿下に説明するようにそう言う。



「だい…?良く分かりませんが、周りを見て下さい、まだ子供ですよ!?」


「子供だからソレしか方法が無いんだよ、この集落出身の子供達がマトモな職に就けると思う?」



というかマトモな職さえ無いから今の現状になってるのに…世の中綺麗事は大事だけど、それだけじゃ何も変わらない。



「…よしOK~!村、あの准将と連絡ついたよ」


「いやいや…お前もう行動に移してたんかい」



なんて抜け目のない素早い奴だ。



「子供達にやる気があるなら必要な人材を派遣してもいいってさ」


「ったく…あの人も美味しいとこ取りしてくるなぁまあありがたい話だけども」



いつまでも進展がなかった問題が急展開になるから俺にも一枚噛ませろってか?



…ソレを知らせたのはマキナだけど。



「ち、ちょっと!なんの話をしてますの?」


「ん?ああ、この子供達が俺とあいつが提案したのを呑むんなら国がサポートしてくれんだと」


「サポートって…!本気で子供達に風俗をさせるつもり!?」


「だってそれ以外方法が無いと思うけど…嫌なら代替案を考えて?」



俺は、う…!と口を噤んだ皇女殿下から少年少女達に向き直る。



「さてさて…いくら俺らがお膳立てはしてやったとは言え後は君たち次第だぜ?」


「…俺たちに、何をしろと?」



未だ警戒心をむき出しにしながら、リーダー格?の少年がそう聞いた。

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