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「うおっ…とぉ!」
なんだろうこのデジャヴ感…とりあえず俺のこの鍛え抜かれた強靭な足腰のおかげで押し倒されずには済んだが。
「終わった?」
「もう少し…ってか何故抱きつく?」
「え?なんとなく…ヒロインの仕草的な?」
いや、まあ…確かにゲームだか小説だか漫画だかのヒロインは良く主人公に抱きつくけども。
「って事はついに俺が主人公に…!?」
「それは無いと思う」
キタコレ!と上を向くとショコラに即答でバッサリ切られる。
「え、誰?」
「君こそ誰?」
困惑してるクソガキの質問にショコラは質問で返した。
俺は今さっき精神的に深手を負ったため修復中。
「…とりあえず俺からの話は終わりだ、都合のいい日を決めとけ」
「都合のいい日?」
「あとで話すから離れろ」
そう言って今も抱きついてるショコラを剥がす。
「決めたらどうするんだよ」
「そうだな…お前学生だから紙とペンぐらい持ってるだろ?貸せ」
「はあ?…まあいいけど…」
クソガキが渋々バッグからノートとペンを取り出し、ソレを奪ってある番号を書く。
「決まったらその番号に電話しろ」
「…分かった」
「じゃ、用事も済んだし…帰るか」
「ん、その前にどこかでご飯にしよ?」
「ってか結局その人誰!?」
俺とショコラはクソガキの叫びを無視してそこらに停まってる馬車に乗り込む。
「ちょっ…!?」
驚いてるクソガキを他所に馬車が走り出した。
「ったく…やっと終わったぜ…」
「何があったの?」
ため息と言葉を一緒に吐き出すとショコラが不思議そうに聞いてくる。
そこであのクソガキの事を話した。
「え!?アレが…?」
「ん?知ってんの?」
「うん、リザリー達から天界での事は聞いたよ」
ふーん…と思いつつ目的地に着いたため馬車から降りた。
「お、ちょうどあっちに喫茶店がある」
「続きは?」
「メシ食いながらでもいいだろ」
早く早く!と急かしてくるショコラを適当にあしらいつつ喫茶店に入る。
「何食べようかな~………お、コレ美味そう」
「すいませーん」
「はい、注文はお決まりですか?」
ウエイターを呼んで料理を頼んであの学校での事を話す。
「うわぁ…ソレは疲れる…」
「全くだよ…めっちゃダルかった」
「その性格で良く神に好かれたねぇ」
「だよな…ま、根っからのトラブルメーカーって事じゃね?」
「お待たせしましたー」
ちょうど話もひと段落したところで料理が運ばれてきた。
…すっげーいいタイミングだな。
「んで、これからまたあのトラブルメーカー共と会うんだぜ?」
今度は神々も一緒だから今日以上に疲れると思う。
「…御愁傷様…」
ものすごい憐れむような目で100%同情の込もった声で言われるっていう。
「はぁ…臨時ボーナスでも貰わねぇとやってらんねぇぜ、マジで」
どこに催促すれば良いのか分からんから無理だが。
「ま、まあソレはソレとしてご飯食べよ?ね?」
かける言葉が見つからなかったのか、苦笑いで話題をズラされる。
「そうだな……お、美味い」
「コレも美味しいよ」
「コレ一口あげるからソレ一口くれ」
「いいよ」
そんなこんなで食事を終えて会計を済まし近くの公園に向かう。
まさかの二人してトイレに入り、スタンのピンを抜いて影移動した。
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