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「そう言われると嬉しいけど…ほら、より可愛くなりたいじゃない?」
「なぜに疑問系?つーかこれ以上可愛くなってどうする…ナンパとか性犯罪に巻き込まれる確率が上がるだけだろ」
適当に雑談しながら軽い運動を終える。
「ふぅ…ってかそろそろ本題に移れよ」
「えー…?なんで分かったの?」
「本当に服を見せるためだけだったらお前の居た研究所にでも呼び出すだろ」
つーかその前にショコラがこの研究所に居る時点でナニカあったと容易に推測できるんだけど。
わざわざリザリー達に会いに来たって理由では何日も泊まらないと思うし。
…はぁ、また上からなんかの面倒事を押し付けられたのか?
「上の方から私の所とリザリーの所…あと他の研究所にも要請が来てたみたい」
「へぇ?ソレは珍しいな…内容は?」
「戦争」
…は?あれ?俺の耳が遠くなったのか?
「ワンスアゲイン」
俺は耳を軽く叩いて聞き返す。
「だから、戦争」
「…魔物と?」
「違うよ、ソレだったらていとなんて呼ばないし」
…確かに、俺がいたら進軍途中で人間側を引っ掻き回して撤退させると思う。
「じゃあ人間同士の?」
「ん、正解」
アホか!なんで魔物とか魔獣とか悪魔とか戦うべき相手はいっぱいいるのに人間同士で争ってんだよ!
「なんで?ユニオンに喧嘩売るとかどこの国だよ」
良くもまあ世界の1/3を支配してると言われてる国に喧嘩売ろうと思ったな。
因みに魔王軍やその他の魔物も世界の1/3支配している。
分かりやすく説明すると…
世界の1/3は魔王軍やその他の魔物、稀に魔獣
世界の1/3はユニオン共和国(同盟国含む)
世界の1/3はその他の国々
…内訳的にはそんな感じ。
「えーと…イグニス独立国とか言ってたかな?」
「…あれ?戦争だったら軍を派遣すれば良くね?」
俺ら関係ないじゃん……あ、そういやエルーとかエリアやショコラは軍人だったっけ?
「ソレが軍を派遣出来ない色々と複雑な事情があって…」
なんやかんやでショコラから説明を聞いた。
要約すると…イグニス独立国は軍事演習で国境近くに進軍してるだけだ、と言い張ってるため軍を派遣出来ないらしい。
下手に軍を派遣してコッチから戦争の火種になるような事をしたら同盟諸国や他の国の信頼がうんたらかんたら。
更にイグニス独立国は確実に領土侵犯をする気だがその証拠が無いとの事。
軍を待機させようにも…疑わしきは罰する。みたいな姿勢はやっぱり同盟諸国や他の国々に悪印象を与えるだけだとか。
そうなると各国との信頼関係に溝ができて技術提携や輸入や輸出にも影響が出るだのなんだの。
領土侵犯をした時に軍を派遣しても着くまでに時間がかかるからねぇ…
軍が派遣された、もしくは待機してると分かれば直前でUターンすればいいだけだし。
そしてソコをつつけばユニオンの信頼が下がる。
イグニス独立国はソコに目を付けてこの作戦を実行してる可能性があるんだって。
今までこんな事態になる事がなかったから、その国にスパイを送ったら参謀が変わったっていう事実が云々。
きっと新しく参謀に就いた奴はかなり頭が切れる策士なんだろう。
とまあそんな事が起きたとリザリーやマキナに知恵を借りに来た所…
俺、ショコラ、マキナ、リザリー、エルーの5人で追い払おう、と言う作戦を立てたそうだ。
エリアやハルトは今回は裏方に回るんだとさ。
人数は多くても仕方ない、と凄く不満そうに納得のいかない顔で本人達が志願したらしい。
…嫌々な俺を除いてエリアかハルト、もしくはその二人を入れても良かったんじゃね?
その疑問をそのままショコラに聞いた。
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