『人間、辞めましたシリーズ』

25

とりあえず生き返らせる方法は極秘っつー事で、その間の事はカット。

～～～～～～～～生き返らせ中……………………

言ってもドラゴンを再生した時と似たような感じだよ？

「よお、ばあちゃん久しぶりだな」

「…だれ？なんで…？あれ…？え？」

生き返ったばあちゃんは俺と周りを見て混乱してるようだった。

「誰って…孫の顔も忘れるぐらいボケてんの？」

「程人！？なんで…！？え？ココは…？」

「ザックリ説明するとばあちゃんは二年前に死んだらしく、それを俺が生き返らせた」

「生き返らせたって……まさか冥妖召喚術！？アレを使ったの！？」

ザックリした説明で余計に混乱したらしいので面倒だがちゃんと説明する事に。

ちゃんとした説明って言っても死んでたから生き返らせた、としか言えないんだが。

「程人、ちょっと……え！？」

説明してる最中にノックも無しに藍架がドアを開ける。

…あーあ、またややこしくなりそうだ。

「お、おばあちゃん！？なんでこんな所に！ってアレ？おばあちゃんって既に死んでたような…アレぇ！？」

一目でばあちゃんと分かったのは凄いが、そのせいでかなりパニクってた。

「藍架、落ち着け…とりあえず深呼吸でもしろ」

「え？あ、うん…」

「藍架の反応を見て分かる通りばあちゃんは結構前に死んでる」

「…ソレを妖怪の能力で生き返らせた？」

俺が冥妖召喚術で生き返った事は説明したんだがソレでもまだ信じられないらしい。

「まあそうなるな、俺には冥妖召喚術なんて使えねぇし」

「…なんでおばあちゃんを生き返らせたの？」

「聞きたい事があったからだよ、そのために3日も頑張ったんだぞ」

「……聞きたい事？」

さて、そろそろ本題にでも入りますか。

俺の質問は二つだけ。

なぜ俺に冥妖召喚術を仕込んだのか？

藍架と愛梨には仕込まれてるのか？

ソレをばあちゃんに聞いた所、俺の予想に近かった。

才能も素質も資質も能力も無い俺がユニオン兵士養成学校に行った所で直ぐに死ぬだろう、って思ったんだと。

まあ俺は全体的にモブキャラみたいな感じだからそう思われても仕方ないが。

ばあちゃんが意味不明に謝ってきたから逆に頭を下げてお礼を言ってやったぜ。

次に肝心な事を聞くと、愛梨と藍架には冥妖召喚術は仕込まれてないんだって。

どうやら一回仕込むだけでもえらく手間がかかるって言われた。

俺に仕込むだけで7年かかったって言われたし。

実際に俺が冥妖召喚術を仕込まれたのは15の時らしいな。

7年もかけてそんな意味不明な事をされてもな…と結構複雑な心境ってば。

その頃の俺、どんだけばあちゃんに心配かけてたんだよ。

つーか仕込まれるのがあと二年遅かったら普通に死んでたじゃん。

…ん？なんでこんな展開が急に早くなったのか、って？

そりゃ…アレだよ、うん。

昨日…一昨日？にショコラから電話がきたから。

新しい洋服をお披露目したいから戻って来て～、と可愛く言われたら戻るしかないだろう。

今はどうやらリザリー達の研究所に滞在してるらしく、マキナとエルーの声が聞こえた。

ショコラ曰く…なんか研究の実験体が云々でエルーが逃げ回ってる最中だったって。

どうやら俺がいない時はアイツがモルモットになってるらしいな…まあソレが当然の事だけど。

因みにショコラの居る研究所ではハルトとエリアがモルモットらしい。

ふっ…俺ばっかりが不運な目に遭ってたまるか！

つーワケで、明日にはユニオンに戻らないといけない。

「ばあちゃんどうする？愛梨に会う？」

「そうねぇ…会えるなら最後に一目でいいから成長した姿を見てみたいよ」

「最後…ねぇ、もしかしたら愛梨や藍架が結婚、出産した時にも生き返らせるかもな」

もちろんその時に死んでたらじいちゃん達も一緒にだけど…と言って笑う。