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「ごめんよ、っと」
「うぐぁ!」
男の右足を掴み俺の伸ばした脚に絡ませるようにして、右膝を折る。
やっぱり関節技はいいねぇ…素早くダメージを与えられる上に、相手の動きも制限できちゃうんだから。
「ぐうっ!?」
右足から手を離し、倒れた男が立ち上がる前に左足を掴んでまたしても関節技で折った。
これで立ち上がれないと思うけど…念のため。
うつ伏せになってる男の右肩に足を置いて力を入れる。
「いぎゃっ!!」
「悪いね…」
ちょっと謝って男の左手を掴み背に足を乗せた。
「う…あ…がぅ!!」
腕を引っ張り足を踏み込みを強くして左肩の関節も外す。
流石に連続でのダメージに耐え切れなかったのか、男は気絶した。
さてさて…あと何人来るかな?
「ふふん、ふーん…」
男の衣服を剥ぎ取り手足を拘束してそこらに転がす。
いや…待てよ…この男を担いで歩けば、敵は驚くよな?
その隙を突いてこの男を投げれば、さらに隙が出来るワケで…
ふむ、我ながらイイアイディアだ。
ポン、と手を叩き転がした男を右肩に担ぐ。
そしてそのまま路地の奥の方に進んだ。
「ふふん、ふふふんふーん…あいうぉ…ん?」
「なぁ…!?」
鼻歌を歌いながら行き当たりまで歩き、引き返そうと後ろを振り向いたら後ろから付いて来てた?男が俺を見て…
いや、正確には俺が担いでる奴を見て驚いている。
「お、二人目?」
「ぐ…」
驚いてる男に担いでる奴をポーイと放り投げ、直ぐに距離を詰めた。
男が奴を受け取ると同時にその隙を突いて股間を思いっきり蹴り上げる。
「…!!?」
俺の思いがけない攻撃を食らい、声にならない悲鳴を上げて泡を吹き…ガクッと膝から崩れ落ちた。
おおぅ…自分でやった事とは言え、つい自分の股間も押さえちまうな。
「二人目?撃破ー」
今度は服を剥ぎ取って拘束…なんて事はしないで放置。
だって股間を思いっきり蹴り上げられたんだぜ?
しばらくの間は立てないと思う。
…は~あぁ…もう終わりかなー?終わりだと良いなー。
俺は何事も無く路地から出て普通に街中を歩く。
「すいません、道を教えていただきたいのですが…」
「あ?道?」
「はい」
喫茶店を探して歩いてると知らん青年(男)に声をかけられた。
「うーん…俺もあんまりこの辺に詳しくないんだよね、っと」
「っ!?」
「あれ?まさかまさかダナー」
困ったように言い、青年の顎めがけて裏拳を放つと上半身を反らして避けられた。
「チッ!なぜ分かった!」
「まあ展開的に?」
多分俺でも同じ事をしたと思うし…つーかこんなの誰でも考えつくだろ。
万が一間違ってたら適当に謝ればそれで済むじゃん?
俺はナイフを取り出した青年から逃げるようにしてさっきの路地へと走る。
「逃がすか!」
「バカだなー」
追って来た青年を見てついポロリと本音が零れた。
「ふん!かかったな…ソコは行き止まりだ!」
青年は勝ち誇ったように叫びながらグングン速度を上げる。
…暗殺者ならもう少し静かにスマートな行動を心がけてほしいよね。
行き当たりまで行くとさっき倒した二人の足を掴み青年に向かって投げた。
「な…!」
青年は驚きながらも一人目を避ける。
「くそっ!」
続けざまに投げた二人目もなんとか避けた…が。
避けられた所で既に俺は攻撃体勢に入っている。
「詰み」
「がふぁ!?」
ダッシュ→ジャンプからのドロップキックで青年の顔面を蹴飛ばした。
青年はガードもできずにモロに食らったため結構な距離を吹っ飛んで行く。
俺は受け身を取って立ち上がり服に付いた埃を払う。
さてさて…面倒だが尋問でもするかな。
ピクピク痙攣してる青年の足を掴んで奥の突き当たりまで引きずる。
尋問の内容はまあアレだからカットで。
ただ一つ言えるのは…中々口を割らないからベキベキに骨を折った、って事ぐらいかな?
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