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「うん?君が娘の護衛担当かね?」
「ういー、村人Bでーす」
「貴様!国王様に向かってそのような言葉使い!」
後ろに控えてた近衛騎士みたいのが一歩前に出る。
「ああ、よいよい、気にするな」
「し、しかし…!」
王様が騎士を制するが納得いかないように俺を睨む。
「おっさんがそう言ってるんだから頭の堅いお坊ちゃんは下がっとけ」
「貴様!国王と私の侮辱を…!許さん!」
騎士が走り出し、腰に差してる剣を抜こうとした。
「な…!?」
俺も騎士との距離を詰めて素早く鞘の中間を掴み、引くようにして剣ごと奪い取る。
「んな物騒なモンを宮殿内で振り回そうとするなっつーの」
「うむ…娘の護衛をするだけの実力はあるようだな」
「は?あんたん所の兵が弱いんだよ、まさかこんな弱いのが精鋭だなんて言わないよな?」
国王の発言にバカにするように言い返すと騎士達5人に囲まれた。
自業自得と言えばそれまでだが、俺が男に対して気を遣うなんてありえんのでな。
「貴様みたいな一般人が我らの国をバカにするか!」
「ぷっ!」
騎士の言葉に王女…いや、まぎらわしいからお姫様でいいか。
お姫様が笑いを堪えきれずに少し吹き出した。
「おーい、姫様よ…こいつらも前の姫様と考えが一緒だぜ?」
「そのようですね…村人B」
「ん?」
怒っている精鋭騎士5人に囲まれてるにも関わらず、全く意に介さず姫様と喋る。
「我が国の精鋭騎士に囲まれても一切意に介さないその様子…この状況でも勝てる見込みがあると言うのですか?」
「ははっ、楽勝でしょ?殺すだけなら一分もかからないよ」
「「「!!?」」」
怒りとは別の反応で一人を除いて騎士達が剣を抜く。
俺が剣を奪った騎士は拳を構えていた。
「ほらよ、返すぜ」
その拳を構えている騎士に剣を投げて返す。
「…さて、国王様よ、一分以内にこいつらを退かせないと死ぬぜ?」
「な、にを言う…我が国の誇り高き騎士はそう簡単には…」
タッと俺はいとも簡単に騎士の包囲をすり抜けて国王の隣に移動した。
「コレで俺が剣を抜いてたらどうなったと思う?」
俺はお姫様の方を向いて笑いながら問いかける。
「…大惨事、ですね。両者にとって」
「そだな…からかうのに飽きたし、もういいか」
あくびをしながら国王から離れて、お姫様の後ろに控える的な行動をとった。
「…流石はユニオンの兵士、我が騎士達とは比べものにならないようですな」
「「「…!!申し訳ありませんでした!!」」」
包囲をすり抜けられてから今まで一歩も動かなかった騎士達が国王の発言でやっと動く。
5人の騎士は国王の前で片膝をついて頭を下げた。
「俺のあんな悪ふざけを容認するなんて…器でけぇな、なかなか好感が持てる王だ」
「私のお父様ですもの」
「じゃあ姫様も良い統治者になるなぁ」
オーストラリアの国王一行と一悶着?あったものの、親睦会は和やかに開催された。
開催の挨拶が始まる前に俺は外に出て指揮官を探す。
「誰だ!ここは一般人立ち入り禁止区域だ!」
「ん?ああ、丁度いいや、警備の指揮官みたいなのが何処にいるか分かる?」
警備担当者に訪ねながら宮殿を探し回り、最終的に強そうな感じを追ってある建物に入ろうとすると腰に剣を二本差した男が出てきた。
仮面をつけてるため顔は分からないが、かなり強そうなオーラが出ている。
「指揮官だと…?俺だがなんの用だ」
「は?あんたが…?嘘だろ?」
声を聞く限りまだまだ若い感じだ、おそらく十代かそこらの年齢だろう。
「…なぜそう思う、俺が若いからか?」
「まあそれもあるけど…まさかあんたが円卓なわけないだろ」
円卓の騎士の称号を持つんだから、俺が身構えるぐらい強そうなオーラが出てないとおかしいからな。
「…どこでその情報を…まあいいさ、隊長はこの建物の奥にいる」
「奥にいんの?めんどくさっ、呼んできて?」
「お前…!初対面のくせに図々しいにもほどがあるぞ!」
「なんの騒ぎだ?」
丁度いいタイミングで建物から男が出てきた。
「あ、隊長」
騎士のイメージである鎧兜は身に纏ってないが、いかにも強そうな感じがする。
強そうな感じを追って来たが、やっぱりいたか。
出てきた男は剣では無く、刀を持っていた。
昔で言う所の『日本刀』である。
「あんたが指揮官か?初めまして、っつー事で話しがあんだよ」
「…その話し方、どこかで」
隊長、と呼ばれた男は俺に近づいてきた。
そしてじーっと俺の顔を凝視する。
なんだろうこのデジャヴ感…前にもこんなパターンがあったよな?
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