13 僕の白猫-2
丸く、小さく、動かなくなった体。もう冷たくなった彼女を、母が白い箱に横たえた。ちょうど、庭の花が綺麗な青紫色に咲いた季節だった。僕らはそれを彼女の周りにたくさんたくさん敷き詰めた。
そして、箱を覗き込んで僕は驚いた。もう輝くことのない彼女の白が、最期を迎えてどうしてこんなにもきれいに。視界が滲んで混ざりあって、彼女はとても優しい色をしていた。
静かな顔は、いつも僕の膝で寝ているときのそれと同じだった。今僕が腕を差し出したら、あのときと同じようにその小さな頭をそっと腕に乗せてくれないだろうか。
ああ、このままずっと、ただ一緒にいられれば。
きっと、それだけでよかった。
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