6 雨上がりの。


このまま雨が降っていれば、傘の端に隠れて君のつらく歪めた顔も、涙も、見えなかっただろうに。君は優しい人だから、雨があがってしまえばにっこりと泣くしかなくなるんだ。君の美しい顔が、なんだか僕には悲しいよ。そうだ、優しい君が安心して泣けるように、僕が君を覆い隠してあげよう。

ねえ、まだ雨は降っているよ。降っていていいよ。

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