随筆十四:話に花を咲かせましょう!

七夏「~♪」

心桜「つっちゃー!」

七夏「はい♪」

心桜「なんか、嬉しそうだね~良い事あった?」

七夏「良いこと? えっと・・・」

心桜「・・・・・」

七夏「!? どしたの? ここちゃー?」

心桜「・・・・・」

七夏「???」

心桜「ハックション!」

七夏「ひゃっ☆」

心桜「ごめん」

七夏「大丈夫?」

心桜「大丈夫、大丈夫・・・花粉の季節でもないのに、今日はくしゃみがよく襲ってくるな~」

七夏「そうなの?」

心桜「しゃっくりみたいに連続で」

七夏「風邪になったとか?」

心桜「それは大丈夫!」

七夏「良かった☆」

心桜「あたし、ちょっと思ったんだけど」

七夏「え!?」

心桜「くしゃみの前の『ハ』とか『ヘ』って必要なの?」

七夏「えっと・・・どおしてかな?」

心桜「別に無くてもいいよね?」

七夏「なくても、いいとは思いますけど」

心桜「大魔王なんかさ、『ハ、ハ、ハクショ~ン!』って二回も予備動作があるよね!?」

七夏「大魔王!?」

心桜「うん。『フィクション大魔王』 この物語はフィクションの提供でお届けします!」

七夏「???」

心桜「あっ! そうかっ!」

七夏「え!?」

心桜「予備動作が無いと、回避が難しくなるのか! なるほど!」

七夏「なんか、どうしたらいいのか分からなくなってきました」

心桜「あはは、ごめん。そう言えばさ、授業中に『くしゃみ』は何も言われないけど、『あくび』は注意される事があるよね?」

七夏「はい」

心桜「なんで、あたしだけ注意されんのよっ!」

七夏「ひゃっ☆ 何!?」

心桜「『あくびちゃん』 心の叫び!」

七夏「???」

心桜「世の中、公平に出来ていないって事だよね~」

七夏「みんな平等だといいなって思いますけど」

心桜「女の子は可愛く、男の子は格好よく生まれると、色々とお得だよね~」

七夏「くすっ☆ ここちゃーは可愛いです☆」

心桜「なっ! そういうハズイ事をサラッと言えるからなぁ~つっちゃーは!」

七夏「素直になれると、お得です☆」

心桜「ぐはっ! 言いえて妙! あたし、年上なんだよ!」

七夏「ここちゃーとは同級生です☆」

心桜「うーん・・・機嫌が良い時のつっちゃーは、なかなか手強いなぁ」

七夏「くすっ☆」

心桜「んでさぁ、そんな頼もしいつっちゃーに相談なんだけど、なんとかならない? このどーでもいい流れ!」

七夏「え!?」

心桜「無いんだよ・・・お話に花がっ!」

七夏「ありますよ☆」

心桜「え!? どこに?」

七夏「おはなし」

心桜「それって、『お花し』って事かっ! つっちゃー今日はどしたのさ?」

七夏「えっと、特には・・・」

心桜「うーん(なんかあるな、これは)」

七夏「枯れ木に花を咲かせましょう☆ っていうお話がありました☆」

心桜「花咲か爺さん!?」

七夏「はい☆」

心桜「枯れている木に花を咲かせるというのは・・・蘇生!?」

七夏「どおしてそうなるの?」

心桜「枯れているから!」

七夏「枯れているというのは、葉が落ちた状態なだけです☆」

心桜「って事は生きてる?」

七夏「また葉や花が咲くのなら、生きてます☆」

心桜「そっか」

七夏「ですから、花咲かお爺さんのお話で花が咲いたというのは、その木は生きているという事になると思います」

心桜「なんか、今日のつっちゃーは笹夜先輩みたいだねっ!」

七夏「え!? そ、そうかな!?」

心桜「おっ! 今、ちょっと隙が見えた気がするっ!」

七夏「私も、笹夜先輩みたいに素敵な考え方が出来るといいな☆」

心桜「そう言えば、笹夜先輩は? ハッ!」

七夏「どしたの? くしゃみかな?」

心桜「いや、真後ろに居るとか、そんな事無いかなって思って」

七夏「もう・・・えっと、今日は笹夜先輩、お休みだそうです」

心桜「ほんとに?」

七夏「はい。だから今日は私が頑張らないとって、思ったのですけど」

心桜「そうか・・・それで・・・」

七夏「私、笹夜先輩に頼っちゃう事が多いから」

心桜「それは、まあ、先輩なんだから頼っていいと思うよ!」

七夏「でも、あんまり、頼りすぎると、迷惑にならないかなーって」

心桜「それはないっ!」

七夏「え!? どおして?」

心桜「つっちゃーが笹夜先輩に頼っている時って、笹夜先輩はとても嬉しそうに見えるよ。あたしが、つっちゃーに頼ったら、つっちゃーとても嬉しそうにしてくれるよねっ!」

七夏「あ・・・」

心桜「人は『誰かに頼ってもらえると嬉しいんだよ』。それは、自分を必要としてくれる人が居るという事になるからね!」

七夏「はい☆」

心桜「前にさぁ『人は何の為に生きてるの?』って言うような、話題があったよね?」

七夏「ありました☆」

心桜「つまり、あれは、誰かに頼ってもらえていると、そう思う事が無くなるんじゃないかなーって」

七夏「人は人のために生きています☆」

心桜「おっ! 今日の花が咲いたね!」

七夏「くすっ☆ みんなにも沢山の花が訪れますように☆」

心桜「そだねっ!」


随筆十四 完


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随筆十四をお読みくださり、ありがとうございました!

本編の方も鋭意制作中ですので、どうぞよろしくお願い申しあげます!

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