意味なんてないよ?
「疑問形?」
彼女が振り返るとスカートの裾が翻る。小雨が髪を飾る。あたしは彼女の後を追いかける。
「わかんない?」
「ううん、わかる」
赤い吊り橋の真ん中で、あたしたちは並ぶ。
「予備のボタン」
「青? 白?」
「白」
手をつないで大きく前後に振る。声に出して笑う。
「長いストロー」
「曲がるやつね」
「じゃあ、切り取り線も?」
「鏡のフタも」
滝の音がここまで響いている。走り出したタイミングは一緒だった。
「わかってるよね」
「うん、わかる」
傘はとっくの昔に投げ捨てた。
終わり
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます