甘い週末

(金曜の夜、カクテルバー)

吉野「お前、それ何飲んでんだ?」

岡崎「ん、これはカルーアミルクだ」

吉野「随分あっまいのだな…いつもそんなの飲まないだろ」

岡崎「今日はストロベリータルトが売り切れてるから、なんだか甘味不足でな。代わりに頼んだ。なかなか美味いなー」

吉野「大丈夫かよ?あんま飲みすぎんなよ」

岡崎「……ところで、今日はこの後お前の部屋に行きたいと思うが…いいか?」

吉野「……えっ……

いっいいけどっ……」


(吉野の部屋に到着する)

吉野「お前さー、やっぱ足フラついてんじゃんか。だから飲みすぎんなって言ったのに」

岡崎「……んー、酔ってねーし。

(ベッドにどさりと腰掛け、両腕を広げる)……さあ順くん、召し上がれ」

吉野「…………は……??」

岡崎「ん…ハロウィンの日の約束、忘れたのか?

だから、約束通りこれからお前の甘いものになるつもりなんだが」

吉野「……(俯きしばらく考える)……」

岡崎「ほら、来いよ……どうした順くん?」

吉野「……違う」

岡崎「…違うって、何が」

吉野「甘いものならなんでもいいわけじゃねーんだよっ!!

俺は、そうやって酔ってイケイケ化したお前から欲しいんじゃねーんだっ!いつものジレジレもたもた面倒くさいお前がくれるやつが欲しいんだっっわかったか!?」


岡崎「(驚いて吉野を見つめる)……マジか」

吉野「そうだ、マジだ」


岡崎「……なんか酔い覚めた。

今日、やっぱり帰る。……悪かったな」

吉野「ん。そうしろよ。……気をつけて帰れよ」


岡崎(ドアを出る前に振り返る)

「……俺、マジなお前すごい好きだ」



吉野「……(部屋にひとり残り、ふるふると肩を震わす)

……今、すっっっげえ甘いものもらったっっっ……!!」




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