第24話

「コード893?

 なんだよ?それ……」


 百道が、そう言ってセロを睨む。


「コード893。

 政府と関係を持っている闇の組織です。

 赤いスーツがトレードマークなのですます」


 オトネが小さく答える。


「闇の組織なのに目立つんだな」


 百道の素朴な疑問だった。


「……ああ。

 別にあいつらは自らの存在を隠そうとしない。

 仇討ちだろうが闇討ちだろうが簡単に返り討ちにしてしまう。

 あいつは強いよ」


 セロが答える。


「そうか……

 なんか燃えてきたぜ!」


 百道の目に闘志が湧く。


「燃えていること申し訳ないけど……

 多分、もう会わないから気にしなくてもいいよ?」


 セロの言葉に百道が小さく笑う。


「あいつ悪者なんだろう?

 だったら俺はあいつを超える。

 そうじゃなきゃヒーローにはなれない!」


 百道がそう言うとセロが尋ねる。


「君はヒーロー志望なの?」


「ああ。

 ふたつなも決めているんだ。

 ステゴロの百道!」


「ふーん」


 セロが覚めた目で言う。


「なぁ、アンタはヒーローなんだろう?

 なんかこう……

 オーラのようなものを感じるんだ!

 強いんだろう?」


「僕は、ヒーローじゃないよ」


「そうなのか?

 じゃ、俺と一緒にヒーロー目指そうぜ?」


 百道の提案にセロが首を横に振る。


「僕は、ヒーローが嫌いなんだ」


「え?」


 百道が驚く。


「まぁ、僕はあの人を助けに行くよ」


「あの人って壺のことを言っているのか?」


「うん」


 百道にはセロの言葉に賛同した。


「そっか、俺も行くところだったんだ!

 俺とお前、どっちが先に助けれるか勝負だ!」


 百道は、そう言って地面を数回蹴った。


「え?なにを言って……」


 セロの言葉を待つことなく。

 百道はその場から走って姿を消した。


「あー、早いですますね」


 オトネが、そう言って小さく笑った。


「うん……って、そうじゃない。

 早く行かないと百道くん死んじゃう」


 セロは、そう言って足をバネに変えその場から素早く移動した。


「どこに行くですますの?」


 オトネもそのスピードについていく。


「とりあえず、コード893の枚方市部かな」


「そうですますか。

 では、ご主人さまと私、どっちが先にコード893の枚方市部につくか競争ですますね。

 勝ったほうがキスできるっていうのはどうでますか?」


「……それって僕にメリットないよね?」


 セロの言葉虚しく。

 オトネはすでにそこには、いなかった。


「はぁ……

 仕方がない、僕が先に見つけないと……だね」


 セロは、まっすぐとコード893枚方市部へと向かった。

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