第249話 素材を集めよ!.2
久し振りのギルド。
相変わらず強面のおにーさん方が多いこと多いこと。絡まれないだけマシかな。
カリアが早速受付へと向かう。
「こんにちは。本日はどのようなご用件でしょうか?」
メイド服に似た物を来た綺麗な女性がお出迎えをしてくれた。
国によって制服も内装も違うの良いな。
「パーティーランクを確認したい。できますか?」
「はい、できますよ。ハンター登録証を見せてください」
カリアが提出すると、マテラの受付の人が着けたのに似た手袋を装着し、左手を登録証に右手を分厚い石板へと向けた。
「かつて刻んだ記録を見たい。ここに刻み写してくれ《投影の石》」
ズズズと石が小刻みに揺れ、音が止んだ。
「えーと、カリアさんのパーティーランクはEランクです」
E…。
「……こんなんだったっけ?」
「師匠。それ前回も聞いたわ」
「そうだっけ?」
Eって、一般の魔物狩るランクじゃん。
無関心過ぎるにも程があるわ。
「まぁいいや。このリスト内の物を採取できる依頼はありますか?」
カリアはキリコから手渡されたリストを受付へと置いた。せめて二つ三つはあると良いな。
「失礼します。……………………あの、大変申し上げにくいのですが…、残念ながらこのランクではこのリストに載っている物を手に入れるのは不可能かと……」
マジか。
後ろから小さく笑い声が複数聞こえた。
無理もないか。
「じゃあ、先にランクを上げないといけないのか。どのくらいのランクになればいけますか?」
「そうですね……、最低でもCはないと難しいと思います」
「なるほど」
なるほど、だから取れるもんなら取ってきやがれって言い放ったのか。納得した。
後ろの方でまたこちらに視線を寄越しながらヒソヒソ声が聞こえる。笑い声混じりだから録な事言ってないだろうが。
「じゃあパーティー試験を受けます。今空いてますか?」
「ええ、空いてます。受験ですね、今見定め官を呼びますので少々お待ちください」
そう言って受付の人は奥へと下がっていった。
「そういえば、前も師匠とそろそろランクを上げないととか言って、結局忘れていたんだったわ」
「そうですよ。確か個人使命でカリアさんに依頼が来てマテラに行ったんすよ。なんか、森の奥で見たことのない魔物が現れたから確認してきてくれーって」
「ごめん、それ多分オレのせいだ」
時期的にもマクツの森で暴れてた時期と合致するし。
「いやいや、多分あんたの事がなくても忘れてたわ。絶対!だから良い機会なのよ」
「そーそー。もともと無くても良かったやつだし。今回はなんとなく素材集めのついでにって感じだったし」
「そう言ってくれるのはありがたいわ」
パタパタと足音を立てて受付の人が戻ってきた。後ろには丸眼鏡にお下げの背の低い女性。ほんと、見た目中学生に見える。見えるけど多分それ言ったら怒られるに違いない。
「おー!アーリャちゃんだ!今日も小さいねー、アーリャちゃん!」
「今日のご飯はパンケーキと蜂蜜入りホットミルクだったのかい?」
「ちっ……失礼ですよ!!それにもうそんなお子様なのは食べません!!」
「アーリャさん、戯れないで仕事ですよ」
「はっ、すみません!」
案の定からかわれている。
「こちら、パーティーランクを見定める試験官のアーリャ・デグラーシアです。試験内容は指定された依頼をこちらの試験官を守りながら達成すれば合格になります。少しでも傷を付けたり、見合ってないと判断されれば即失格となりますのでお気を付けください」
「アーリャです。よろしくお願いいたします」
軽く膝を曲げて挨拶をするアーリャ。
しかし、なんだろう。この人変な感じがするな。ネコを撫でつつ心話で語り掛けた。
「(ネコ、なんかあの人変な感じがするから初めから魔力融合してて、会話は心話でお願いできる?)」
『(?、いーよー。わかった)』
受付の人が机の下から紙を取り出した。
「それでは試験を始めます。この依頼証に記している内容を達成してきてください」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます