第2話「招集」
山景が、茜色に染まる。
闇に沈む稜線を眺めていた青年の目の端に、まっすぐ飛び込んで来る影が映った。首を巡らせてみれば、次第にその輪郭を露わにしたのは、夕空色に染まった一羽の鳥。
すうっと流れるように、彼を目がけ、一直線に降下してきた。
突き出した左手に止まった鳩を、彼は優しくなでてやる。
そうして見れば、やはりその足には赤い巾が。
赤い端を指先で軽く叩くと、彼はほうっと息を吐き、呟いた。
「お呼び出し――か」
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