第82話

「ムグムグ。お兄さん!牛肉追加で!あと鶏団子も!」

手を振りなが追加注文をする黒蜜おばば。

「胡麻だれって結構美味しいのね。少し飲んじゃおうかしら」

お下品な事を言う餡子さん。

「一つの鍋を区切りすき焼きとしゃぶしゃぶを一緒に食べるなんて事を考える日本人は恐ろしい。すき焼きの白滝美味しい」

とバーバ・ヤーガ。

「レモンサワージョッキで追加!」

目が座って来たモーゼさん。

「これだけ食って飲んで値段が同じとは信じられん!キノコとマ○ニー追加じゃ!それとカシスソーダを」

注文がどこかのOLみたいなゼ○ス様。

買ってもらったハンディカメラで皆んなを撮影するヒッ○コックおじさん。

ウロウロしないで食べなさい!

カミーラお婆様と大福さんと白龍さん紅さんは飲み放題のビールを何杯飲めるか競争してるわ・・・元を取るとか言ってるけどお金払ってないじゃない?自分で。

人郎さんは元の大きさに戻って私の隣でしゃぶしゃぶの肉は牛肉と豚肉どちらが美味しいかを確かめるのに左右に分かれた鍋で牛用と豚用とか分けてしゃぶしゃぶして食べてる。

紅さん貴女は息子の育て方をきっと間違えてしまったと思います・・・。

私は隣の鍋ですき焼きを作って時々、あーんと口を開けて口直しと言い、すき焼きを所望する人郎さんの口に入れてあげてる最中。

人郎さんを何日も小さくしたのを忘れてそのままだったから仕方ないか・・・。


あっ!地獄の牛頭馬頭さんしゃぶしゃぶとすき焼き大丈夫かしら?酎ハイ片手に笑いながら食べてるから良かったわ。


ミカエルさんが私の近くにやって来た。

「蜜ちゃん今日は本当にありがとうございます。こんなに楽しい宴会に招いて頂き感謝してます。それに前から欲しかったマッサージ機を買って頂き感謝感謝です。天使の羽根、以外と付け根が凝るんですよ」

何だか意外な告白を聞いてしまったわね。

「それでですね蜜ちゃん。今日の撮影を見て考えた提案なんですが今度の十月末のハロウィンに六本木で魔女っ子の撮影をしませんか?天界からカボチャのランタンやお化けを連れて来ますよ。モンスターズや地獄の軍団に閻魔様達も六本木通りを歩いても誰も気にしないと思いますがどうでしょうか?」


中々面白そうねそれ!

お肉を食べてた人郎さんがゴックンと肉を飲み込で

「蜜、それなら僕達人狼一族も人狼になって歩こうか?」

だんだん大掛かりになって来たわ。

そんな事を話していたらいつの間に来たのか人狼一族の長老、駄犬巌がヒョイと顔を出して。

「蜜ちゃんそれなら儂の知り合いのドイツ大使館員に協力してもらいビールやソーセージ、肉料理の屋台を出してもらうのはどうだろう?」

駄犬の癖に気の利いたことを提案してくるわねぇ。


ん?周りを見るとゼ○ス様や牛頭馬頭さんに魔女っ子三人とカミーラお婆様達が眼をキラキラさせながら期待を込めた眼で見てる。


「わかったから皆んなそんなに見つめないで!!次の魔女っ子は『trick or trick、私達イタズラしかしないわよ!』で行きましょう。それと今度のお土産は美味しいケーキをホールで持ち帰りでえ良いかしら?」


「ウオー!ビールにソーセージ、そして帰りにケーキのホールを持ち帰り!こんな楽しいハロウィンなんて良いのか?俺、ケーキを地獄に持って帰ったら昇天しちゃうぞ!」

地獄の小鬼さんが泣いている。


モンスターズも嬉しそう。


ミカエルさんゼ○ス様とハイタッチして喜んでる。


皆んな普段ルーチンワークをこなしているだけの生活だからイベントに飢えてるのねきっと。




近くで配膳の手伝いをしたいた狂戦士の玉ちゃん。

[蜜様にお仕え出来て良かった。混沌とした現代の世界情勢の中、蜜様の周りにはいつも笑顔が溢れている。今まで私を手に入れた主人達は力に溺れて皆自滅して行っが、蜜様は違う、楽しい仲間達といつも前向きに生きている]


そんな事を考えていると蜜様が私を呼ぶ声が。


「玉ちゃん〜マイクちょうだい!ゼ○ス様とモーゼさんがカラオケでマイウェイを歌うって言うから!曲入ってるわよね?」

「大丈夫です蜜様、通信でダウンロード出来ますから何でも来いですよ」

殺戮兵器の私をカラオケマシンとして使う蜜様は世界最高のご主人様です。

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