11・12・16話後の小ネタ集

◯紫陽花11話報告会(カザリアが拗ねていた話の後)


ル:ルカウト

ロ:ロウリエ


ル「奥様が、ロウリエのこと嫌いって言ってましたよ」

ロ「そういうことは、いちいち報告しなくていいんですよ」

ル「嘘ですけどねぇー」

ロ「そして、嘘なんですか!」

ル「でも、ルーベンと結婚したいとはおっしゃっておりましたねーえ?」

ロ「はい?」

ル「あ、これは本当です」

ロ「…………」

ル「あと、奥様宛にチュエイル家から書状がとどきましたよ」

ロ「そっちを先に言ってくださいよ!」

ル「新年会のお知らせです。あ、心配しなくとも、ロウリエの分の招待状もありましたよ。よかったですねぇ、仲間はずれじゃなく。ちなみに、奥様は行く気満々です」

ロ「……そこは、止めてくださいよ」

ル「どうしましょうね」

ロ「どうしましょうか……」


◯ ケルシュタイード本家から来たアーリィ的がっかり(12話)


「女の人って大変ですねぇ……」


(ぼっちゃま……!)


 ああ、なんでそこでそうなるんですか。

 奥様の、服、新しい、綺麗、いつもと違う、見惚れるところです!

 普通は、見惚れてぼーっとなるところなんですよ。

 そこで、ときめきは生まれるんですよ!

 ええ、王道と言われようが、そうやって夫婦間の愛は深まっていくものなんですよ!

 

 ぱたりとしまった扉。


 いってらっしゃーい、と見送る奥方様の傍らで、わたくしは思いましたとも。


「ああいうところ、旦那様にそっくりですよね……」

「全く、ホントに、ねぇ?」

「夜なべして最終確認したといいますのに。あんなに似合ってらっしゃるというのに」


 おいおいと泣きそうになったわたくしの肩を、奥方様は慰めるようにそっと抱いてくださったのです。



◯16話後(お義母様から夜着をもらった後)


 ロウリィよりも、早く目が覚めたのは、本当にひさびさのことだった。

 

 暖炉の火もすっかり消えてしまった室内。

 ひんやりと凍える空気に、首をすくめる。

 だけれども、今日は、あくびをしてもぐりこんだ後も、あったかくて、さすがお義母様から頂いた夜着だわ、と思って目が覚めたのだ。

 

「さすがだわ、って……あれ?」


 ぴったりとひっつかんでいた服。

 じんわりと温もりが広がるのは、やっぱり掌からで。

 ロウリィにくっついて眠っていたという事実に驚愕して、飛び起きる。

 何だ。何これ何なのだ。

 毛布から出ると、朝の冷気は、震えるほど寒くって。ふわふわのはずの夜着も、よりあったかな毛布から出ると効果をずいぶんと失うらしい。

 しぶしぶ寝台に戻った私は、あれ、と眉を寄せた。


 結局、前のに比べてこの夜着はどのくらい温かかったのだろう、と。

 少なくとも、今日のところは判断がつかなかったのだ。

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