第1話トラ船長と誘惑の星⑤~惑星からの脱出

 ボンタのまわりの家では、庭の木がおおきく変化して住人たちをおそい食べていきました。ボンタも大きな口に変化した木の枝に飲み込まれようとしていました。トラ船長はレーザー銃を木の口にうちこんで動きを鈍くさせたすきに、ボンタを助け出しました。そしてキャッツ号に連れ戻して、ただちにワープして惑星から脱出しました。

 ガメ船長もドンガメ号からフルーツQ31を投げ出してどこかに消えてしまいました。

 キャッツ号の中では、ぼんやりとして座っているボンタを見てホワイトは心配していました。

「ボンタは元にもどるかしら」

「ああ、あのフルーツを食べなければ一週間ほどでもとにもどるさ。あの惑星はフルーツで人の感覚を狂わせて、自分のところに呼びよせていたのさ。庭の木のフルーツで飼いならしてから、食料として必要なときに食べていたんだ」

「まるで食虫植物のようね」

「星全体がひとつの生命体なんだろうね。オイラはあの果物はまずくて食べれなかった。惑星にとって都合の悪い人はじめから呼ばれないんだな。ハッハッハ」

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