第10話 トレーズ・クシュリナーダ
エレガントを重んじるOZの総帥。
黒幕ではあるのだが、その思想に寄り添う気にならないというか、個人的には魅力的な要素がない。
人は戦う姿が美しいとか、負け続ける美しさとか、どこか浮世離れしている。
自身の立場がそうさせるのか、戦争を俯瞰的に見続けている人物である。
人の可能性を信じた赤い人とは違い、人は戦いの中で人になるみたいな思想が伺える。
カリスマ性は非常に高く、そのカリスマに負けない能力を有している。
パイロットとしては、ガンダムと渡り合う技術を持ち、生身でも剣の腕前は五飛を上回る。
その能力の高さゆえに執着は薄く、どこかで負けたがっているような人、五飛は、その達観した死生観に振り回されていた。
他に考えることがないでいで、最終局面まで自身の元で戦死した兵士の名を全て覚えているという奇人。
「敗者こそが世界を変革し動かしていく」という思想、その具現をガンダムに見た彼は五飛に討たれ満足しながら死んだ。
無人兵器や大量殺りく兵器を嫌い、モビルスーツを愛し、兵士に美を見ていた、自然や人を独自の感性で愛した人である。
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