第六十七話『その先』

「よっし!おわりおわりー!ヒカル、今日はごはん何?」

とニコはいつものように聞いた。


そして、僕らはいつものように、教室に戻りご飯を食べていた。食事をしながら僕は疑問に思っていた事を聞いた。


「しばらくモンスター出てないね」

と僕はヒカルに言う。

昨日は、ニコと休日を過ごして、今日は一日中訓練をした。

そして、その間モンスターは襲ってこなかった。


「そうなのよね。キングゴーレム倒しちゃったからほんとに平和になっちゃったのかしら・・・」

と、ヒカルは考える。


そんなに毎日モンスターが現れているわけではなかったが、ここ二日は、まったく出てこなかった。これが永遠につづくのか、たまたま、二日だけのことなのか、知りたい。


「確かめに行くか・・・」

と僕は言う。


ほんとに、平和が戻ったのなら、これ以上こんな過酷な訓練を彼女達が続ける必要がないのではないか?と考えたからだ。彼女たちは年相応の楽しい女子高生ライフを楽しむべきだ。


「そうね」

とヒカルは言う。


パトロールについて同意した。彼女も、森のモンスターたちのことが気になっているのだろう。まったくいなくなってしまったのか、たまたま、この二日だけ出てこないのか。


「ところで気になっているのだけど、もっと先ってどうなってるの?」

と僕は聞く。


僕らは手前の森の事しか知らない。

この街に近づくモンスターをただ退け、防衛しているだけで、その先に、別の街があるのか、ということが気になっていた。


「それは私達にもわからないのよ!私たちは、ずっと、近辺を守ってたの。キングゴーレムが出たら、毎回、逃げて返って来たの」

ヒカルは言う。


つまり、彼女たちは生まれてから、このちいさな街で、モンスターを退けるという、宿命を追っていたのだ。なんて過酷な・・・。そのおかげでこの町の平和がなんとか保たれている。


「つまり、その先のことは一切謎なのか・・・」

と、僕は呟く。


その先のこと、世界の事がもっとわかれば、もっと楽しい未来が彼女たちに訪れるかもしれない。

そういう未来があるのなら、それに僕は協力したい。

それだけのことを僕は彼女たちにしてもらっている。


「今回たまたま、そのキングゴーレムを倒すことが出来た。これは、その先を知るチャンスなわけだ」

と、整理する僕。

道を塞いでいた、強力なモンスターを倒すことができたのだ。

今が、その先を知るチャンス。


「そういえばそんなこと考えたこともなかったわ!」

とニコが言う。


彼女たちには、その先に行くという発想はなかったらしい。

それだけキングゴーレムが強かったということだろう。


「まさか、キングゴーレムを倒せるなんて思ってなかったし」

とニコが言う。


「じゃぁ、やっぱりチャンスなんだね。この世界の先を知る」と僕が言う。


「うん、私もその先が知りたい」

リオンがそう言った。

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