第四十八話『三重炎拳 - フレイムヘブン』

「今度は私が相手よ!」

とヒカルが言った。


ヒカルが『加速投擲 - ブーストスロー』を使った。

キングゴーレムの胸。つまり、リオンとニコの二人がダメージを与えた所に追攻撃を与えた。


しかし、致命傷ではなかったらしく、キングゴーレムはまだピンピンしている。


「これじゃ、だめか・・・」

とヒカルが呟く。

ヒカルは最初からそのことを予測していたらしく、注意を引くことを狙った攻撃だったようだ。その刹那、第二の攻撃の準備に入っていた。


「タカシくん使わせてもらうよ!!」

と、僕と手を繋いで交換したスキルを発動する。

僕が『炎拳 - ファイヤーパンチ』と『高速投擲 - ファストスロー』を合成して作ったものだ。


投げたものを高速に、かつ、炎をまとわせることが出来るスキル!


『速炎投擲 - ファイヤースロー』


ヒカルはスキルを発動して投げた。


ヒカルの鋭い投擲に、更にスキルが追加され、かなりのスビードでキングゴーレムにナイフが向かっていく。

そして、炎も発動する。


ゴオオォォォォォっとナイフが炎を纏って直進する。

炎を纏った、ナイフが胸に突き刺さる・・・。


と思った所、腕でガードされた。


「まじか・・・」

なんと、ガードした。


そう、知能があるのだ。

胸に突き刺さるのが危険だと考えた、キングゴーレムはナイフを腕でガードしたのだ。


前のゴーレムはわりとお馬鹿だったイメージだが。

このキングゴーレムはキングだけあって、複雑な動きをする。


胸より腕の方が損失が少ないと考えて、腕でナイフを防いだのだ、この『キングゴーレム』は!!


この土壇場でそんな判断ができるなんて!

かなり賢いと言わざるをえない。


「グオオォォォォ」

と唸りながら、燃える右腕を振り回した。

ナイフは腕から抜け、吹き飛ばされた。

バシュっと、ナイフは、土に突き刺さった。


「これは、まずいわね・・・」

とヒカルは言った。


残しておいた必殺技も防がれてしまった。

そしてしっかりとキングゴーレムの怒りをかっている。


そう、怒りに燃えた、キングゴーレムが、ヒカルに向かっていく。


「これは、やられちゃうかな・・・」

と、ヒカルが呟く。


ヒカルは、リオンとニコほど、体術が得意ではない。

キングゴーレムの攻撃を避けられないかもしれない。

このままだと、やられてしまう。


「そんなのはいやだ!!」

と僕は叫んだ。


『三重炎拳 - フレイムヘブン』


僕は、最強のスキルを発動した。

『炎拳 - ファイヤーパンチ』の最終進化系、『三重炎拳 - フレイムヘブン』だ。


僕は、右腕を燃え上がらせて、キングゴーレムに向かっていく。

「ヒカル!今のうちに逃げて!」

とヒカルに言う。

「タカシくん!」とヒカルも叫ぶ。


キングゴーレムは僕の『三重炎拳 - フレイムヘブン』の炎のエネルギーを探知して、完全にこっちに集中してる。


「うおおおおぉぉぉぉぉ」

僕は、右腕を燃え上がらせて、キングゴーレムに向かっていった。

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