一から七の詩
碧い紅葉
一
はじまり。
産まれて、乳を与えられて、
生きた。
息をした。
きっと。
覚えてはいないけれども。
もうずっとしているから、
はじめてがどんなだったか
忘れてしまった。
きっと他の赤ちゃんのように
空気に触れて
泣いたのだろう。
私は産まれて来たのだから
赤ちゃんだったはずだ。
もう乳の味を忘れてしまった。
母の腕の中であやされたことも、
聞いたことで
覚えていたことはない。
懐かしいような気がするのは
どうしてだか、
わからない。
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