第7話お母さん! ゴーレム幼女に色々と教えてもらった!

 結論から述べると、この世界はどうやら異世界らしい。

 異世界というものを定義するには色々な制約があるかと思うが、俺が定義する異世界は自分がいた世界、つまり、地球ではない事を意味する。


 先程までいた場所はホワイトシーフ王国という小さな国で、俺をこんな薄暗い洞窟に追放した女はその国の”王”シルフと言うそうだ。

 確かに兵士を顎で使い、傲慢な態度は権力者の振舞いだと感じた。


 シルフの父や母が健在の時代は活気があり、居心地が良い国だったのだが、シルフが10歳の時に不慮の事故で両親とも亡くなってしまい、それから、段々と国の雰囲気も悪くなり、人も少なくなっていった。

 

 両親から引き継いだ国と民を守る為、10歳からシルフは王女ではなく、王として君臨しているのだと。

 話だけ聞くと苦労話に思えるが、俺はあの小娘から殺されそうになったのだ。

 同情する事は断じてない!


 これらの話はゴーレム幼女様から伺った。


 ゴーレム幼女様は以前、ホワイトシーフ王国に住んでいたのだが人口の減少とともに仕事が途絶え、収入が減り、父親とともにこの洞窟に住み着いたそうだ。


「ここだと家賃の心配もないし、食料はそこらへんから取ってくれば良いみそ」

 と何の肉か分からないものをビーフジャーキーのようにして頬張り、力強い言葉で今までの経緯を語るゴーレム幼女様。


「あの... ...。それで、ご両親はどうされたんですか?」


「ん? お母さんは私を産む時に死んだみそ。お父さんは十年くらい前に変なキノコを食べて死んだみそ」


「... ...そうですか」


 ゴーレム幼女様は暗い表情もせず、淡々と語る。

 それが逆に痛々しくも感じてしまった。

 ん? 十年前!?

 ゴーレム幼女様の年齢って... ...。


「あの? ゴーレム幼女様っておいくつ何ですか?」


「馬鹿野郎! レディーに歳を聞く奴がいるか! 二代目チャッキーは年齢何て聞かなかったみそよ!」


「いてええ!!!」


 まるで、原始人のコントのようにそこら辺にあった何かの骨で殴られる俺。

 ... ...くっ!

 同じてつは二度踏まないぞ!

 この背中に伝わる鈍痛をしっかりと身体に覚えさせ、俺はゴーレム幼女様の理想のペットにならなければ... ...!

 二代目チャッキーに劣るなんて俺のプライドが許さない!


 

 □ □ □


 

 ゴーレム幼女様は父親が死んだあと、森で見付けた獣の子を可愛がり、チャッキーと命名。

 初代と目の前にいる石化した二代目を経て、現在は俺が三代目を襲名した。


 ゴーレム幼女様は久々に人間と会話したのか、終始、楽しそうにお喋りをしている。

 やっぱり、こんな暗い洞窟で過ごすのは少し寂しかったに違いない。


 また、語尾に『みそ』と付けるのはゴーレム族特有のもので話を聞いていくと日本の方言に近い感覚のようだ。

 親戚の婆さんも似たような語尾を使っていたし、慣れれば特に耳障りなものではない。


 ... ...それにしても、見た目は幼女だがどことなく色気を感じなくもない。


 話しぶりからするにゴーレム幼女様の年齢は恐らく、10歳以上。

 見た目が若いだけで幼女ではない。

 つまり、これは合法ロリというやつではないか!?

 そう思うと、何故か幼女様を見る目が変わってくる。

 白いワンピースのような服の隙間から見える白い肌。

 胸の部分は微かに膨らみが確認出来る。

 風呂に入っている様子はないのに、髪の毛からは花の香りのようないい匂いが... ...。


 気付くと、俺の右手は幼女様の髪に触れていた。


「... ...何しているみそ」


「ハアハア... ...」


「ひいっ! 何か気持ち悪いみそ!」


「ぶへえ!!!!」


 ただならぬ気配を察知したのか、ゴーレム幼女様は俺の腹を殴り、まるで、ゴミを見るかのような視線を送る。

 腹を抑えながらも、『これはこれで中々... ...』と俺は確かな手応えを感じていた。

 恐らく、今後、病み付きになり、殺されない程度にゴーレム幼女様にちょっかいを出していくと思う。


 あ、ちなみに前々回も話したが俺はロリコン属性ではない。

 ただ、性欲が頂点に達し、閉鎖的な空間に女がいると小学生でも老婆でもどうでも良くなるだけ。

 男なんてそういう生き物だ。

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