帆察知先生の
善悪の区別なんてつけるつもりはほとほと無かったが、これだけは言える。
悪い大人になったなあ、って。
あの頃の自分はもっと純粋で、悪を見たときには身の毛もよだつ程の震えを覚えたものだったのに、いつの間にかその悪は自分で、常に心に選択に少なからずの影響を与えることとなった。これはとても由々しいようで仕方がないことであった。
だから今はこの悪をどうするでもなく、後に続く若者たちがこの悪を知ったとき、憎まずにいられることを望む。
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