第316話 御遊び

『ビックリした?』

 チョビさんは、僕の背後から飛び付くのが好きだ。

 そっと部屋に入ってきて、ソファの後ろに回り、ピョンと飛び乗ってくる。

『ビックリした?』


 でもね…大概、気づいているんだよ。

(あっ…また来た…)

 ソファの端からピンと立った尻尾が見えている。

 ソファの陰から、僕をジッと見ている。


 たまに目が合うと、シタタッ…と部屋から出て行く。


『ビックリした?』


「うん…ビックリしたよ」

 頭を撫でると満足そうに喉を鳴らす。


 でもね…寝ているときは、本当にビックリするから…

 やめてほしい。

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