第75話 呼ぶ声

 ミャォ~ン、ミャォ~ンと呼ぶ声がする。

 チョビさんが僕を呼ぶ声…探す声。


 僕には『ニ~ト、ニ~ト』に聴こえる。


 見つけると、トタタッタと走り寄ってきて、僕に飛び乗る。

 遊べと言うのか…撫でろというのか…。


 間違えると軽く噛みつく。

『そうじゃない!!』


 時折、僕の上で喉をグルグルと鳴らしながら眠ってしまう。

 起こせば、不機嫌そうに、ひと鳴き「ミャン」


 そのまま走り去ってしまう。

 クロさんと違ってよく走る。


 僕の手が少し届かない場所でコロンと寝転ぶ、ここで撫でろと尻尾を振る。

 じっと僕を見る、金色の目。


「もし…僕がいなくなっても…そうやって探す様に鳴くのかい」

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