第65話 クロさん限界を知る

 宅急便で荷物が届く。

 ダンボールに興味を示すクロさん。

 何でもいいと言うわけではない、好き嫌いはあるのだ。

 そっと、クロさんを抱っこしてダンボールに入れてみる。

『狭い…ような…苦しいような…』

 一応、大きな身体を丸めてみたり、角度を変えたり…。


 頭を突っ込むと…おしりがはみ出す…チョンッと突くと、ビクッとなって…。

 ダンボールの箱が壊れた。


『いらん!! こんなもん!!』

 怒って出て行ってしまった。


「お金を貯めて、なにか小さな家を買ってあげるよ」


 僕は日雇いの短期バイトに申し込んだ。

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