第60話 優しい目

 取材で牧場を訪れた。

 牛は大きいが、優しい目をしていた。

 大きな顔をヌッと突き出して僕を見ている。


 触れると暖かくて…皮膚は固くて…撫でると気持ちいい。

 チョビさん、クロさんとは違う。

 クニャクニャと柔らかく、クターッと暖かい。


『帰って来たかニート、チーカマ?』

 コンビニの袋に顔を突っ込むチョビさん。

『無いよ!!』


 あ~大きい牛の大きな目は優しかったのに…牛の頭より小さいくせにチョビさんの目はどうしてこうも鋭いのだろうか?

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