第53話 ジャージ

 ボロボロのジャージ。

 僕を愛してくれた女性が買ってくれたもの。

 10年以上も前に買ってもらったもの。

 いまだに僕は寒くなるとボロボロのジャージを着る。


 ヨレヨレで…ボロボロ…安物だ。

 でも…少ない給料で、僕に買ってくれたものだから。

 これを着ると…なぜだか涙がでる。


 寒くなってきた…チョビさんが僕の膝の上で眠る。

『あったかい…』

「そうだろ…」


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